第6話:初の戦闘
コアとの契約を済ませた。違和感は特に感じない。けれどもコア曰く契約には成功しているとの事だ。
「私はそろそろもどるわ」
「戻るってどこに?」
「あなたの体内に。精霊は契約者の体内に宿ってエネルギーを回復するの。だから後は頼む!」
コアはそう一方的に告げて俺と体内に消えていく。
分かっていたけどわがままだよなあの子。間違いなく末っ子属性だ。
まぁ、契約を許した以上俺がとやかく言う必要は無いけどさ。気にしても仕方ないので俺は歩き出す。
歩いていると視界の傍で何かが動いた、俺は慌てて身を潜める。
そっと顔を出して伺うとそこには狼と思わしき生物がいた。
【種族:狼族
種族名:魔狼
魔狼は群れで行動する特異な種族であり効率的な狩猟や防衛を行う。またこの種族は非常に凶暴性が高く、外敵に対しては容赦ない攻撃を行う】
AIさんの早速『世界の知識』が発動する、やはり強いなもし持っていなかったら相手の情報なんて分からないだろうし。
こうして敵対生物かどうか分かるのは大きい、ならばこの場はやり過ごすわざわざ顔を出す必要ないのでね。
情けないと思うなら思えばいい、生き残ればいいいいのだよ。
だか天は俺を見放したのかちょっと動いたらその弾みで小石を蹴ってしまったそうで、カランと言う音が鳴り響いた。
あ、終わったその瞬間察した終わりの音がなる。
魔狼はこちらを定めたようで唸り声を上げている、こぇぇぇあとずたりしながら警戒をあげる。
「ガァァァ!!」
魔狼は叫び声を上げながら、こちらに向かってくる。ただ幸いなのは一匹だと言うことだ。
速い──俺が見るどの狼よりも速く素早い、避けられない、こんなの無理だろ。狼の爪が振り上げられる。そのまま俺は切り刻まれたと思ったが。
俺の身体は霧のように拡散しまた収縮した。
【マスターの身体エネルギーは物理的な質量を持たないため、従来の物理攻撃(打撃や切断など)ではそのエネルギー体にダメージを与えることができません。】
まじかよ、それ先に言ってくれよ。驚いた俺が損した見たいじゃん。
と、言うかマスター呼びってなんだよ。なんでマスター呼びなんだよ。
【マスターと呼ぶ理由は、マスターの深層心理に基づいている。マスター自身が無意識のうちに「マスター」と呼ばれることを強く望んでいるため、この呼称が採用されています。この望みは、マスターの記憶に刻まれた体験や感情に関連しており、具体的には「ラブ キュアーズ」という言葉から──】
もういいよ!俺が悪かった。これ以上は傷口をえぐるな。
ちなみになんだが『ラブ キュアーズ』と言うのは無料のギャルゲーだ。子供の頃PCで興味本意でやった事がある。
まぁもっと言えばかん○れ見たいなゲームだ。
それでマスターと呼ばれていたので俺も呼ばれたくなった。いや〜すっかり忘れていたよ。
今となっては黒歴史だ、忘れよう。
今はそんなことよりも奴を倒す手筈からだ。
魔狼も困惑しているのは無闇矢鱈に攻撃はしてこない。警戒している様子だ。
そういや、水の情報を溜め込んだ気がする、ならば──。
「水刃!!」
水を圧縮し放つ、それだけで人を穿つ刃となる。
しかし魔狼もそんなヤワでは無い警戒していた事が功を奏したのか避けられた。
魔狼は大きく飛ぶと同時に口から高エネルギーを放出した。
てか、エネルギーとエネルギーがぶつかり合うとどうなると。
【エネルギーとエネルギーがぶつかり合うと干渉が生じます。そのエネルギーの種類や衝突の条件に応じて、干渉、合成、変換、反発、または極限的な崩壊などが起こります。しかしこの場合は合成です】
その瞬間魔狼が放ったエネルギーを取り込むように俺の体内に増強された。
うぉぉぉ・・・これなら無限増強可能じゃね?と思ったがそんな上手い話は無い。まず許容範囲があるそれを超えると制御出来なくなりエネルギーが爆散し崩壊する。
それに今回はエネルギー合成出来たが特殊なエネルギーや膨大なエネルギー同士のぶつかり合いだと爆発が起きたりするらしい。ともかく今回は運が良かったのだ。
「ふふふ・・・ははは!今なんかしたか!」
俺の声を聞いて魔狼は困惑してる様子だ、そこがスキだ!俺は大乱闘スマートブラザーズをやっていたからこういう瞬時の判断には長けているんだよ!!
水を圧縮して放つ、「水刃」でフィニッシュだ。
フゥ〜ってグロいな〜。
魔狼の情報を取り込む事って出来ないかな?
【魔狼の情報を取り込んだ場合・・・魔狼が持つ生物的なデータやスキル、魔狼の肉体情報を取り込み、その形態を模倣する事が可能です】
おぉ、別に異論は無い。と、言うことで俺は魔狼の情報を早速取り込んでみた。
情報を取り込み『解析・鑑定・分解』を施すので情報に適合するまで時間がかかる。
まぁゆっくり行こう。
そしてようやく『解析・鑑定・分解』が終わるとスキルを獲得した。
【スキル:威圧・疾走を獲得、また魔狼に擬態出来ます】
早速俺は魔狼に擬態して見た、何が凄いって魔狼の細部まで再現している、骨格、筋肉と言った細部まで再現している。更にエネルギーが安定しているので強ばる必要は無い。
魔狼姿で洞窟をかけてみるとめちゃくちゃ速い今の速度は──
【150km】
うぉぉ速?!世界最速のチーターですら最高速度は130kmだ。それよりも速いってやばいな。
爽快感が凄い。
俺はとにかく走る、走って走り続ける。だが俺は調子乗ったのか、変な場所に出る。
えらい広く不気味だ、そして目の前には大きな石像がある。
ここはどこだ・・・なんと言うか神聖な場所だ。
天井には神々しい絵画が描かれている。白い大理石の柱が立ち並んでいる。
思わず目が奪われてしまう。
その時だった。パチパチと乾いた音が響いた。静寂を破るように、その音は空間全体に広がっていった。俺は思わず音の方へと視線を向けた。
「よくここまで来れたね。」
男とも女ともつかない声が静かに響く。どこか冷たさを帯びたその声は、周囲の荘厳な空気と不思議に調和していた。俺は思わずその声の主を探そうと、音の方向に視線を走らせた。
そしてそいつは現れた。人の形をしているが、まるで人とは思えない外見だった。
「ボクはニセガミこの迷宮の“代理“の王だ」
そう名乗ったニセガミは一礼した、しかし俺を見下すかのような冷徹さがあった。
「俺はリオンだ、誰かと勘違いしてるのかも分からないが、俺は転生者なんだよ。気づいたらここにいた」
ここで嘘をつくのは愚策だ、だから俺は真実を口にした。
「それは分かってるよ。その事を踏まえて言っているのだ。君は選ばれし!そう、選ばれし神になる男だ!復活為さったのですね!」
「な、なんの事だよ」
選ばれし?神?復活?訳がわからん。俺はリオンという名前があるし普通の高校生だ。
「忘れているのですか・・・僕はニセガミ。そして君を倒して本物の神になる。」
パチンとニセガミは指を鳴らした。そしてそれに連動するように石像が動き出した。
「では、頼みましたよ。」
そう言うとニセガミは瞬間転移で消えていく。
残されたのは巨大な石像と俺だけだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます