第9話:進化
口から血を吐き俺は地面に倒れまいと片腕を付く。先程から奴の動きが俊敏に成った。
俺の全てが上だ。唯一能力の多様性で辛うじて互角に持ち込めている。いや互角では無い押されている。
「もう終いか?・・・期待したいんだけどな洞窟内の猛者達を殺し、殆どの魔物を討ち取った存在に、そのエネルギーも私と同じだ。だか・・・技術が無い身体能力にかまけている雑魚だ。」
「うるせぇ・・・こっからだよ、俺はこの先と強くなる・・・」
「それは残念な思いだ、貴様の未来は今ここで終る。
シャドウは右手を一閃させるとそこからエネルギーの刃が放たれる、俺は一呼吸で避ける。
「隠密!!」
「また、児戯を、そんなにかくれんぼが好きなのか?」
「そこか!!
黒い炎の塊が放たれる、だがそれは無情にも空を切る。
「ここじゃぁぁぁ!」
俺の蹴りがダクネスの頭に向かって放たれた、しかしダクネスはこちらを見ないで伏せぐ、それは予想通りだ!だからこそ俺はシッポをシャドウの頭に巻き付ける、そして瞬時に
シャドウは顔面にまともに食らい、身体が止まる。
「ダクネス!!」
「うぉぉぉぉぉ!
ダクネスは夜叉を握り突撃する、その目には死の覚悟がある。
妖魔型|「酒呑童子」の最強の権能、いや全身体能力の系統で最も強い力それこそが「
その力“自身の力を100倍にする“と言ったチート級の能力だった。
「しまった!!!」
ダクネスの
ダクネスは倒れこんだ、当たり前だ自身の力を100倍までにかちあげたのだ、負担が大き過ぎた下手すれば死ぬ可能性すらある。
「ダクネス、あとは任せろ!!」
俺は壁に埋まっているシャドウに駆け寄る
「死んどけ!」
俺の拳はシャドウ頬を貫く
「舐めんなぁぁぁぁ!!重量も!時間も!空間も!全て飲み込んだやる!!
虚無ブラックホールは異常な質量によって周囲の物質を強引に引き寄せ、その重力場によって時間空間までも歪める存在。そして、その質量が極限まで達するとエネルギーを大量に集積し、自身の力にする事が出来る、しかしデメリットもある異常なまでにエネルギーを身体に集め制御出来なければ大規模な爆発を生み出す。それを弱っている身体なら尚更、本当は使いたくなかったがこれを使わないと死ぬ。賭けだった。
そして結果・・・爆発音と共にシャドウの身体半分が消し飛びその場に倒れ込んだ。
「え?自爆した?ラッキーじゃねーか、せめて情報を抜きとる、
俺は
ダクネスに駆け寄る、息は辛うじてあるけど風前の灯だ、もはや長生きは不可能だ、ごめんな・・・俺が弱いから。ダクネスの手を握り俺は意識を落とした。
その時
《五つの種族の獲得を確認しました、これより進化を始めます・・・魔狼族、
《スキルの進化を開始します、腐食、
《種族が進化しました
《新たに耐性を獲得【電気耐性】【毒耐性】【酸耐性】【腐耐性】を獲得しました・・・
♢♢♢
個体名・リオン
契約精霊:コア
始祖の種族
種族名:
ユニークスキル:【異能型:
種族スキル:自己再生・始祖の加護
スキル:【見切り】【速度上昇】【跳躍】【隠密】
固有スキル:【
エクストラスキル:【魔人化】【魔狼化】【エネルギー感知】
耐性:【電気耐性】【毒耐性】【酸耐性】【腐耐性】
♢♢♢
んんぅ・・・いつまで寝ていただろうか。俺は目を覚ました、洞窟は凄惨な状態になっており先程起きた爆発により天井が破け光が差し込む。
身体が痛む寝ている間にエネルギー回復をしていたので「超速再生」は今起動された。エネルギー量は満帆だ。
こんな状態を見ると良く勝てたなって思う、相手が弱っていた可能性があるが。もし仮にそうだとしたら俺は弱っている敵に一方的にやられたって事になる。
相手が万全ならと思うと心底震え上がる。まぁ過ぎたことは考えても仕方が無い。
しかしエネルギー量が増えた気がする10倍ぐらいに感覚だけど。
と言うよりか俺進化してね?一回り骨格が大きくなった様な。それは願望か。
と、その時俺の進化の情報がなだれ込んだ。俺と言うものを理解したのだ。新たなスキルや性能等など。
いや、それよりもダクネス!!俺はダクネスの方を見る。
生きてる?何故あの状態で?有り得ない・・・。
【個体名:ダクネスにも進化を施しました、情報を開示しますか?】
と思ったが、
答えはYESだ。
♢♢♢
個体名:ダクネス・フォーン
種族:
種族名:
ユニークスキル:妖魔型【酒呑童子】
種族スキル:【
【
スキル「エネルギー感知」
エクストスキル:【魔狼化】
耐性:【物理耐性】【毒耐性】
加護:始祖の加護
♢♢♢
物理耐性・・・・?俺すら持ってない耐性を保有してやがる。
その他には“始祖の加護“・・・?
よしっ!情報を開示だ!
【始祖の加護:対象に加護を与えた場合、対象者にランダムに耐性を与えます、また使用者が進化すると加護を貰った対象も稀に進化することがあります・・・1/12】
どうやら始祖の加護を与える事が出来るのは10人までらしい、ダクネスで一人だから後九人か・・・そして能力は対象者に耐性をランダム一つ付与する、だからダクネスには【物理耐性】を獲得したのか。
これ、与える側にはメリット無くね?と思ったけどそんなことは無く、俺が進化すればダクネスも進化する事が稀にあると、同時にダクネスが進化した場合稀に俺も進化する可能性があるのだ。
ケースバイケースだ。
その他には種族スキルも強力だ、どれも身体能力強化系のスキルでダクネスに似合うスキル達だ。
そして最後に・・・
【
マジかよ・・・勝手に施したのか?
【始祖の加護を与えられている者の情報への干渉は可能です】
ちなみにだけど始祖の加護を与える条件は双方が納得する事だ、だけどダクネスの場合は・・・一方的だよな?まぁダクネスは嫌がらないとは思うけど・・・。
最後に補足しておくと「種族」は基本的に総称になる、例えば|
俺はゆっくりと立ち上がる、あれ・・・?なんか身長高くね?
髪の毛もめちゃくちゃ長いし 、額には二本の角が生えている、鋭利な八重歯が左右の上歯に一本ずつある、筋肉質の身体・・・そして裸・・・裸!?!おいおい服はないのか・・・あ、あった俺は白いフードに身を包んだ、いや〜ラッキーすぎるなんであるのか知らないけど。
「あ、兄貴!」
ダクネスは目を覚ましたのか・・・ってこいつめちゃくちゃ大きくなってやがる!俺の身長は大体174cmぐらいだ、だがダクネスは・・・それ以上だ.180・・・?いや190cmはある。
しかも俺程ではないけどエネルギー量も増大してやがる。
「兄貴!」
筋肉質の身体は俺よりも凄く、黒い肌が露出している。
ダクネスの青い目が俺を捉える。たぶんこいつ俺より力あると思う、うん、肉弾戦なら負けるねダクネスは「物理耐性」持ってるし。
「お前・・・服は?あそこに物置場所がある、シャドウが溜めて
いた者だろう、あそこは服探してこい。裸なんだから・・・」
いや、正確には急に進化した影響でダクネスの服は大きさに耐えきれず破れたのだ。しかしダクネスの象徴・・・めちゃくちゃデカイな・・・今日から敬語使おうかな・・・
ダクネスは服に着替えると、俺達は遂に洞窟に脱した・・・
外の世界に一歩足を踏み入れる、その瞬間
そして世界に放たれては行けない化け物が太陽の下に出てくる、
世界の情勢を一気にひっくり返す程の種族が。
この時のリオン達に知るよしはなかった・・・。
♢♢♢
なろう版では20話進んでます、是非そちらも読んでください
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