第6話:ダクネス

待てよ」

黒鬼には俺の方を見て声をかけた。逃げようとしたことがバレたのか。

「はい・・・」

あれはなんだ情報の秘書マニュアル

オーガ族、力強い種族で成人男性なら一撃で粉砕できる力を持つ】

「うぉ・・・すごいな」


「ん?凄いあぁ、よくわかったなお前」


「ここで会ったのも何かの縁だろう。俺はダクネス、ダクネス・フォールンだ」


「俺はリオンだ、よろしく」


俺たちは握手を交わした。手が厚い握手しただけでも何となく分かるダクネスの強さ。


「油断するな!」


しかしダクネスはネジが外れたのかいきなり俺に背負い投げをする身長は同じ、なんと体重もさほど変わらなかった。俺は背中から地面に激突した。


「いってぇぇ・・・」

背中に衝撃が走る、確かにこいつの力は尋常だ、間違いなく現時点では力はこいつの方が上だ。「甘い!俺が悪役なら死んでたぞ!お前は1回俺に命を救われた、だからこれは貸し一だ」「・・・は?」

ウシジ○くんでもこんなことはしねーぞ。


「見た所お前転生者だろ?」

「え、あぁうん、よくわかったな」

「考えればわかる、俺はここの道を常に張ってるからなお前がここに来てないのも確認済みだ、なのに向こうから現れた。つまりそういうことだ」


なるほどな、意外と物を考えているのか。

「おい、舎弟今日から俺がお前の兄貴になってやる。お前も転生者で右も左も上も下も分からない状態だろ?俺がここで生き抜く方法を伝授してやる、ダクネスの生き様をな」


妙に上から目線でウザイけどまぁ大人しく従っておくか、ダクネスの言ってる事は間違っては無いからな。


「あ、ありがとうございます」


「いい返事だ。まずは狩の仕方から伝授する」


「いいな、狩の基本は音、目線、そして如何に早く狩れるかのスピードだ」

ダクネスは着いてこいと、腕でアクションを起こした。俺は特に

何も言わないで付いていく。


「まずは、俺のやり方を見とけ」


そこに居たのは、俺が狩った事がある一本角兎ラビットボーンが居た、ダクネスは俺から離れた物陰に隠れると静かに頷いた、見とけよって事だろう。ダクネスはる一本角兎ラビットボーンの背後を取った。そして


「チェリァァァァァ!!」

ダクネスは大声を出してしまって気付かれた。

(馬鹿だろあいつ・・・)


そんなことを思いながら俺はダクネスの言葉を待った。


「見てたか?」

「あぁ、清々しいほどの失敗例をな」


だが、実力は本物のようだ、実際に気付かれないほどの技術を持っていたし、動きも良かった。最後に声出すのは・・・理解不能だけど、よく生きていれたなほんと。


「まぁやってみろ、いいな出せる力は全て出せ」


ダクネスは俺にいきなり実践しろと言ってきたのだ。習うより慣れろって言うしな、俺も身体で実践した方が好きなのでやることにした。狙いは一本角兎ラビットボーンだ、ダクネスは“出せる力は全て出せ“と言っていたので俺は「麻痺吐息ショック・ウェーブ」を使うことにした。一本角兎ラビットボーンは直接食らうと感電して動かなくなった、俺はトドメの拳を叩き込む。


「ムッ、な、なかなかやるじゃないか、まぁ上出来だ及第点だな、うん」

ダクネスはいきなり獲物を仕留めるとは思っていなかったのか狼狽の声を発した。


「よしッ次だ、次だ、次の獲物を見つけるぞ」


こうして俺とダクネスは洞窟内で狩をしまくった。


♢♢♢

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