第2話
レプトンとマルクは、酒場の客から情報を得て、船乗りの紹介を取仕切っていると噂されている男を探しに噴水広場に移動した。
「まったく見つからないな。一体どこにいるんだ?話だとここら辺にいるはずなんだが」
「ここら辺でいつも商売をしているそうですが、見当たりませんね」
「あっ、あそこに人が集まっていますよ!」
2人は人々が集まっている場所に移動した。何人かの男たちが集まって、筒状の入れ物を見つめている。
中心の男が入れ物を持ち上げると、地面には1枚のコインがあった。一斉に歓喜と悲鳴がその場に飛び交った。どうやら何かの賭け事をしているようだ。
「さあ、もう一度チャレンジする奴はいるかい?次を当てたら賭けた金額の3倍を支払おうじゃないか」
賭け事をしていた客の1人が叫んだ。
「こんなのインチキだ!さっきから1人もコインが入った入れ物を当てられていない」
「おいおい、インチキだなんて心外だな。さっきイカサマ防止に入れ物を確認させたじゃないか」
賭け事を仕切っていると思われる男は冷静そのものだった。
「...うるさい!もういい帰る!」
「さあ、改めて誰か挑戦する奴はいないか?」
レプトンが客を押し分けて、賭け事を仕切っている男の前に立った。
「私が挑戦しよう。動体視力だけは自信があるからな」
「じいさん、いくらかけるかい?」
男は余裕の笑みを浮かべながら、レプトンに対して尋ねた。
「有金を全て賭けよう」
自分の懐に入れていた札束と、リュックに入れていた金貨をすべて取り出して床に置いた。
「おいおい、こりゃあ全部で100万円以上はあるぞ。こんなに賭けて本当に後悔しないのかい?」
「いいさ。自信があるからな。」
レプトンは堂々とした態度で男に向けて真っ直ぐな眼差しを向けた。その目には絶対の自信が宿っていた。
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