第3話 三通目

甘かった。

自分がそうだったみたいに、僕がいちばん弱くなったら、みんな優しいんだと思ってた。

うん、みんなは十分優しかったよ。

僕が、ダメだったんだ。

誰も、何も、悪くない。

そしてそれが、いちばん弱くなった証拠だ。

自殺する直前、その人が世界でいちばん弱くて、美しいんだ。

今この瞬間にも、自ら命を断つ人は世界中に居る。

次は僕だよ。

だけど、迷惑かけたまま死ぬのは、やっぱり心苦しい。

だから一旦逃げて、お金を振り込もうと思う。

親友、弟、元妻に。

そのお金が途絶えたら、ごめんなさい。

忘れてください。

素晴らしい人生だった。

ありがとう。

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