第4話

そんな3通の手紙を3人の人間に送りつけ、彼は居なくなった。

やり残しをそのままにして。

3人とも、彼に金銭的迷惑を掛けられていた。

彼は車上生活者であり、身辺整理にそれほど困る事はなかったが、問題は借金だった。

皆、怒って、困った。


しかし、その翌月から、毎月3人に10万円ずつの金が送られて来た。

それから半年後、それは30万円になり、3年後にはついに50万円になった。

とうに3人への負債は消えていたが、5年後には100万円ずつになり、7年目に途絶えた。

死んだのだろう。

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