第51話 じゃあ私のおっぱいも触って!

「あれ?ここは……」


俺は上半身を起こして、周りを見渡す。

ベッドに寝かされていて、周りはカーテンで仕切られた。


「何でこんなところにいるんだろう?それにここはどこ?」


俺がベッドから降りようとした時、カーテンの外から声が聞こえた。


「蒼太君、起きたのですか?」


カーテンが開けられ、そこに立っていたのは岬姉ちゃんだった。


「岬姉ちゃん……」


すると岬姉ちゃんは俺の肩を掴んで顔を近づける。


「蒼太君!!どこか変なところはありませんか!?頭が痛いとか、体が動かないとか呼吸ができないとか――」


「お、落ち着いてよ!大丈夫、何ともないよ」


俺は岬姉ちゃんの体をさすりながらそう言った。

すると岬姉ちゃんは俺に抱き着いてきた。


「良かったです。もし蒼太君に何かあったらと思うと……」


「心配してくれてありがとう。ねえ、ここはどこなの?」


「ここは学校の保健室です。蒼太君が気絶してしまったので、茜と莉乃と一緒に急いで運んだんです」


「気絶!?」


俺気絶したの?

でも何も思い出せない……。


「覚えてないのですか?葵に何をされたか」


「う~ん、確か茜と別れてすぐ部屋に閉じ込められて、そこで葵さんに変な薬を飲まされた事までは覚えてるけど……」


それ以降の記憶がすっぽり抜け落ちている。

思い出そうと考えてみたけど、やっぱり思い出せない。


「そうですか……。実は茜と蒼太君が別れた後、茜が莉乃に蒼太くんと一緒に帰っててあげてほしいと連絡したみたいです」


「茜が連絡してくれたのか」


「ですが莉乃がどこを探しても蒼太君が見つからなかったので、私に連絡が来ました。私は急いで学校に戻り、葵が行きそうな場所を回って蒼太君を見つけました。しかしその時にはもう……」


「そうだったのか……。みんなには心配かけちゃったみたいだね」


でも俺は葵さんに何をされたんだろう?


「岬姉ちゃん、何があったの?」


「蒼太君が飲んだ薬は葵曰く『媚薬』だそうです」


「媚薬?」


「そうです。蒼太君は葵に白い首輪を付けたんですよ?覚えてないですか?」


「覚えてないよ!それに岬姉ちゃんにダメって言われてたのに……」


岬姉ちゃんから絶対に葵さんに首輪を付けるなと言われていた。

覚えていないが媚薬を飲まされた俺はきっと理性が働かず、首輪を付けてしまったのだろう。


「今回は仕方がありません。悪いのは全部葵ですから」


だとしても葵さんに首輪付けたのは事実だ。

きっと葵さんは今まで以上に俺に干渉してくるだろう。


「あっ!媚薬を飲まされた俺ってどんな感じだった?岬姉ちゃん達に変な事してないといいけど……」


「へっ!?」


すると岬姉ちゃんの顔が一気に赤くなる。


「ど、どうしたの?顔赤いよ?」


俺が岬姉ちゃんの額に手を当てると、目をぐるぐるさせた。


「熱はないみたいだね……てことはもしかして俺、何かした?」


「そ、それは――」


「蒼太君!」


「蒼太!」


すると保健室に入ってきた茜と莉乃が俺に近寄ってくる。


「体調は大丈夫?」


「うん、大丈夫だよ」


「そうなんだ……良かった」


茜はほっと息を吐き、胸をなでおろす。


「心配したわ。あんな事があった後だから……」


「あんな事?」


「い、いえ!なんでもないわ」


莉乃は一瞬顔を赤くし、そっぽを向く。


「その様子……絶対エッチな事あったでしょ」


茜が目を細くして莉乃の顔を見る。


「な、何を言ってるのかしら?何もないわよ。ね?岬さん」


「えっ!?ま、まあ……そうですね。何もなかったです」


「絶対嘘!何があったの!?教えてよ!」


茜が岬姉ちゃんと莉乃の肩を掴んでそう言った。


「俺も知りたいな。その様子だと俺は葵さんだけじゃなくて、岬姉ちゃんと莉乃にも何かしたんでしょ?」


俺が二人の目を見ながらそう言うと、岬姉ちゃんと莉乃は顔を赤くした。


「「そ、それは……」」


「さぁ、白状しなさい!」


茜に睨まれた二人はしばらく何も答えずに俯いた。


「「……」」


莉乃が自分の大きな胸に手を当てて、口を開く。


「む、胸を……」


「胸を?」


「揉まれました」


岬姉ちゃんが顔を両手で隠しながら言う。


「「は?」」


俺と茜は口をぽかーんと開けて、声を出す。


「強く触られたわ。こんな事初めてよ……」


「そ、そうですね……。敏感な所も触られました」


二人は恥ずかしそうに視線を外して、自分の胸を撫でる。

すると茜が俺の方をじっと見てくる。


「ねぇ、それほんと?」


「え!?い、いや覚えてないんだよね……」


茜は俺に顔を近づけて、俺の目を見る。


「でも揉んだのは事実だよね?」


「そ、そうみたいだね」


すると茜の目が黒く染まっていく。


「じゃあ私のおっぱいも触って」


「「「えっ?」」」


「だって莉乃ちゃんと岬さんばっかりずるいよ!私もおっぱい触られたいし、〇〇〇ピーーもしたい!」


茜は莉乃と岬姉ちゃんを睨んで、声を荒げる。


「あ、茜!下品よ、言葉を選びなさい!」


「茜!私達はそこまでしてません!」


「でもそれに近いことはやってるじゃん!」


「あれは不可抗力です!決してやられたくてやったわけじゃ……」


「そうよ!私だって必死に抵抗したわ」


「いいえ、莉乃。あなたは自分から触られに行ってましたよね?」


「ぎくっ!そ、それは……」


今度は莉乃が茜と岬姉ちゃんに睨まれる。


「蒼太は私の胸が一番って言ってたのよ!?なのに岬さんの胸を揉み始めたから悔しかったの!」


「あのような状況でそんな事考えていたのですか!?」


「だ、だって――」


「そんな事はどうだっていいの!」


二人の口論をぶった切るように茜が声を張り上げる。


「前に三人で話し合った時、喧嘩しないようにみんなで蒼太君を平等にシェアするって決めたよね?」


「えっ?」


何その話……。

前に一度三人で話したみたいだけど、出来れば俺も混ぜてほしかった。


「だからいいよね?二人とも」


「「……はい」」


「じゃあ蒼太君も元気そうだし、二人は10分くらい部屋の外にいて」


「仕方ないわね。わかったわ」


「私達だけいい思いをするわけにはいきません。ここは茜の提案を飲みましょう」


「ちょ、ちょっと二人とも!」


俺は二人に向かって手を伸ばすが、二人は振り返らず保健室から出て行ってしまった。


「やっと二人っきりだね」


茜はベッドに座る、俺の膝の上に対面で座る。

そして茜は制服のボタンを上から一個ずつ外していく。


「茜!何してるの!?」


茜は制服を脱ぎ、大きめの胸を包んだ黒いブラジャーが俺の目の前に来る。


「本当は直接触ってほしいけど、恥ずかしいから今日は下着の上からね」


俺も男の子だ。

困惑しながらも目の前の光景から目を離せない。


「蒼太君……」


俺は茜の顔を見上げる。

茜は目をトロンとさせ、頬をほんのり赤く染めて舌なめずりをする。

その姿に思わずドキッとしてしまい、茜の事で頭がいっぱいになる。


「おっぱい触って」


俺はゆっくり茜の胸に手を伸ばした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る