第4話 よくある話

 霊とか不思議なことで困ると、私は実家の神社に駆け込む。自慢ではないが、私の実家は由緒正しい神社で、私の父はその道ではそこそこ有名人らしい。悲しいが私は見えることは出来るが退治したりする才能はさっぱりなかった。そのおかげで普通の生活を送らせてもらっている。この生活を後悔はしてないが、それでも困ることがある。


「どうしたんだい?」


 父親は笑みを崩さず私に聞く。私は重たい頭でため息を吐いた。


 「学校の先輩が面白半分で動画配信しに心霊スポットに行って呪われたはいいんだけど本人は霊感ゼロで自覚無い癖に呪いだけは発動してるからそのまま学校来て呪い撒き散らして今クラスの半分が体調不良になってるし私も頭痛い」


 ギリギリと謎の頭痛を訴える頭を抑えながら私はうめいた。

 頭に不快感がずっとまとわりついてこめかみが締め付けられている感じだ。頭痛薬も効かない。

 私の頭をじっと見ていた父は、優しく笑った。


「まずは君のお祓いの準備をしようか。それから学校に連絡しよう」


 最近はよくある話だから大丈夫と笑った。


 なお頭痛は父のお祓いを受け、実家で一晩寝たら治った。

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