第14話 大規模巡回

 隊員達は歩き回っていた。天王寺駅、天王寺駅前の交差点、阿倍野歩道橋、ショッピングモールなど、さまざまなところで巡回していた。かなり警戒しながら巡回している隊員達。


 「どう?異常ない?」

 「はい。今のところ、異常はないです」

 「分かった。油断するなよ」

 「はい!」


 赤穂はさらに気を緩めず、さらに周りを監視した。

 

 30分後


 あれから30分が経ったが、いまだに異常はなかったようだ。だが異常がなくても油断は禁物である。

 すると西側からホテルの屋上に人の影が見えていた。それを見た赤穂は屋上を見続けた。

 あんなところに何してるんだ。

 

 「準備は出来たか?」


 かぼちゃを被った男が全員に準備出来たか確認する。全員は一斉にはいと言った。


 「よし。行くぞ」


 すると全員が徐々に屋上から飛びに行き、通路のところに落下し、一般人を襲おうとした。それを見た赤穂はすぐにショッピングモールの連絡口の方に走った。


 「ちょ、おい赤穂!」


 いきなり走り出したので舞子は驚き、赤穂を連れ戻そうと名前で言ったが、上から何かが飛び降りていくのを見え、それを気づいた舞子はすぐにショッピングモールの連絡口の方に追いかけた。

 一方飛び降りている最中に、リーダーの男が何か走っているのを気づき始めた。

 あいつ、何走ってんだ。

 赤穂は無線で副代表、1班〜5班の全員に言った。


 「こちら赤穂です!今ショッピングモールの連絡橋にて何者かが飛び降りています!もしかするとエリア全体が襲撃するかもしれません!」

 「なに馬鹿な事を言ってんだ!全体で襲撃するわけねーだろ!」


 反論したのは、黒部だった。


 「いや、あるよ」


 そう言ったのは高石だった。


 「あと、怪しい奴ら腐るほどいる。恐らく怪物だ」


 そう言いながら高石は北の方に向かって、走り出して行った。


 「ま、まじすか……」


 それを聞いた黒部はかなり驚いた。一方、赤穂は大きな被害にならないために、周辺の一般人を大きな声で警告した。


 「皆さん!逃げてください!上から何者かが飛び降りてきます!危ないから逃げてください!」


 しかし一般人らは


 「あ、なんか降りてきた!」

 「お菓子かな?」

 「何かの演技かもしれないから撮ろうぜ!」


 嘘だろ。あれ使うか。

 赤穂は発煙弾を投げた。投げてから数秒後作動し始め、煙が発生し、徐々に煙が増えていき、周りの人らがパニックになり、分散して逃げて行った。


 「よし」


 舞子は目を閉じ、集中モードになった。数秒後、舞子は右手に刀を持ち、思いっきり飛び上がった。


 「おい!誰か来るぞ!」

 「何!?」


 舞子がこちらを向かってるのを発見し、すぐに戦闘モードになったが、舞子は必殺技を使う。


 「伯耆」


 すると半透明になり、見えにくい状態になった。


 「うわ!消えた!?」


 怪物達は大混乱になっていた。


 「ぐわぁ!」

 「がはっ!?」


 大混乱の最中に舞子は徐々に怪物達を斬っていった。腹、頭などを斬っていき、ついにはここにいる怪物達が半分になった。

 一方天王寺駅の構内では、北側には人が全くいなく、唯一いたのは怪物の集団だった。


 「よし、全員やれ!」


 青のかぶちゃを被った男が合図し、全員高石の方に行った。すると高石は目を閉じ、集中モードになった。怪物達の距離が迫って来る中、まだ冷静になっていた。数秒後、高石は必殺技を発動する。


 「佐渡」


 すると上から現れた水滴が地面に落ちていく時に刀を開き、水滴を当てようとする。水滴を当てると、衝撃波で壁や自動販売機を破壊し、また追いかけていた怪物も頭に斬られた。


 「なっ!?」

 「嘘だろ!?」


 他の怪物達は驚いていた。


 「相手するなら、本気で来い」


 地下エリアでは芦屋がいるが、すでに怪物達と戦ってる最中だ。そして発煙弾を投げ、視界を混乱させようとした。数秒後、煙が発生し、徐々に煙は広がっていった。


 「クソ!消えやがった!」

 「どこにいやがる!」


 すると後ろから芦屋がいて、必殺技を使用する。


 「赤碕」


 刀が赤になり、腹や心臓などを刺していった。この刀を触れると、全身が痛くなり始め、最終的に身体ごと燃えてしまう技である。


 「がああ!」

 「うわああ!」


 刺された怪物達は徐々に身体ごと燃え始める。すると前から歩いてくる黄色のかぼちゃを被った男がやってきて、拍手をしていた。


 「すばらしい。君の技は」

 「誰だ」


 芦屋は名前を問うが、青のかぼちゃは何も言わなかった。


 「名前は言わないんだね。なら」


 芦屋は刀を青いかぼちゃの方に向いた。


 「ふふふ……」


 青いかぼちゃは笑いながら戦い始めた。

 その頃、天王寺駅とショッピングモールの2つの連絡口にいる黒部は、多くの人々が逃げていく仲、ショッピングモールの連絡口に大勢の集団がいるのを確認した。


 「あいつらか……」


 黒部はショッピングモールの南館の方に歩き始めた。集団のリーダーであろう黒のかぼちゃを被った男が合図をした。


 「止まれ」


 怪物達は黒のかぼちゃの合図で動きを止まった。黒部は隊員らと一緒に階段で歩き終わり、ショッピングモールの南館を入った。


 「行くぞ」


 黒のかぼちゃが黒部の方に行き、怪物達も同じ方に走り行き、戦闘が始まった。すると黒部は必殺技を使う。


 「下松」


 刀が重くなっていくが、攻撃力が3倍になる。そして刀を大きく振ると、怪物達は斬っていった。そして怪物達と隊員らと討ち合い状態になり、激しい戦いになった。


 「面白い。やってやる」

 「ワクワクしてきたぜ」


 黒いかぼちゃと黒部は走り始め、激しい討ち合い状態になった。

 網干と菖蒲がいてる阿倍野方面のショッピングモールでは南から火炎瓶を投げる集団がいた。人々は南の方に行ったが、菖蒲の指示で、隊員らは人々に地下に避難するように呼びかけた。二人は南の方に行き、火炎瓶を投げる集団を見つけ、無線で代理、副代表、代表の全員に伝えた。


 「こちら網干、ショッピングモールの南方面にて火炎瓶を投げる集団が現れたので対処します」


 すると舞子が返事してきた。


 「了解」


 無線を切り、菖蒲に話始めた。

 「多分怪物ですよね」

 「どう見ても怪物でしょ。あとかぼちゃ被ってるし」

 「あれは、リーダーか?」


 集団を率いる白のかぼちゃが現れ、二人の方に歩いて行く。そしていきなり走り出し、戦闘モードに入った。


 「いきなりかよ。突撃!」


 隊員らは集団の方に行き、突撃し始め、怪物達と隊員らの激しい戦いになった。その中で歩き出す網干。それと同じ行動をする白のかぼちゃ。二人は徐々に早くなり、討ち合い状態になった。

 鷹取がいている300メートルの建物の連絡口には、人々を避難させていた。


 「ただいま怪物による襲撃が起きているため、皆さん速やかに避難してください」

 

 一方、阿倍野方面のショッピングモールの連絡橋にいる二人は、舞子が怪物達を斬っていった。するとかぼちゃを被った男が赤穂の方に飛び降りて行く。赤穂は少し距離を離れた。


 「相手は俺だ」

 「クッ……」


 赤穂はかなり警戒していた。かぼちゃを被った男はすぐ赤穂の方に行き、同時に右手にナイフのような物に変形し、先に攻撃を仕掛けた。しかし赤穂は刀で防御し、力で抑えた。


 「お前、誰だ」

 「俺は、陸奥だ」


 戦ってる相手は陸奥 干場だ。いつもかぼちゃを被り、階級は⁻S以上である。

 上で戦ってる舞子は、怪物らを駆逐している時に、後ろから攻撃してくる怪物がいた。後ろで何かいるのを気づいた舞子はすぐに刀を防御にした。


 「クッ、気づいたか」

 「そんくらいは分かるよ。矢来」


 灰色のかぼちゃを被りながら戦う男。矢来 嘉津だ。階級はSである。舞子は左足で自分の刀を思いっきり相手を蹴り飛ばそうとした。矢来は一旦吹き飛ばされる。

 めんどくさい相手になったな。

 舞子は赤穂の方を見た。赤穂は陸奥の攻撃力で苦戦している。討ち合い状態になっているが、赤穂の方が後ろに押されている。

 強い、この人。なんとかしないと。

 陸奥は赤穂を軽く蹴り飛ばし、赤穂は蹴り飛ばされたものの、態勢は崩さなかった。


 「よし、あれしようか」

 「ん?」


 赤穂は困惑していた。

 何をするんだ。

 すると陸奥は右手を左に向き、左手を上にして、手を接触した。すると


 「あいつ……」


 舞子はあることに気づいていた。赤穂の後ろから多くの人々が赤穂の方に来ていた。目の色は濃い紫色だった。赤穂は後ろの方に向くと、驚きの顔だった。


 「え?嘘、だろ」

 「ふははははは!!」

 

 大勢の人が赤穂の方に歩いて行く。そう、矢来の能力によって人を支配してしまった。大勢の中に、バット、ナイフ、包丁で戦う人もいた。赤穂はまず大勢の人々を対処しようとするが、舞子に大きな声で言う。


 「赤穂!人は殺すな!気絶しろ!刀の柄の下で奴らを気絶しろ!」

 「はい!」


 下か。てことは、首を狙えってのか。

 赤穂は大勢の人々に向かって走った。最初の人が赤穂を攻撃しようとするが、赤穂はすぐに首を狙い、柄で気絶した。次にバットで戦う人も赤穂に向かって攻撃したが、これも赤穂がすぐに気絶させた。そしてナイフ、包丁、素手で戦う人もいたが、赤穂によって気絶させた。だがまだ減っていなかった。

 駄目だ。キリがない。

 しかし、後ろから気絶させていく人がいた。隊員達だった。


 「赤穂さん。早く奴を倒してください」

 「ここは僕等がします」

 

 それを見た赤穂はこう言った。

 

 「すまない」


 赤穂は矢来に向かって走り行った。再び矢来と戦い、討ち合い状態になった。

 

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