第12話 会議

大規模巡回まであと5日


 赤穂は学校に行ってるため、休みになっている。この日は怪物駆逐隊のエリートを呼び、南港にある大阪府咲洲庁舎の会議室で行った。前には舞子が座っており、その後ろ左右には副代表が2名、1班〜6班の隊長6名となっている。また当初副隊長2名がいたが、隊長と合併させた。

 副代表は高石ともう一人は

 「久々の会議ですね」

 赤穂の弟、高山 網干だった。年齢は16歳で、怪物駆逐隊の中で最年少である。黒髪のナチュラルマッシュの髪型をしており、涼しい顔をしている。

 「お前、副代表だからって調子に乗るなよ。なんかムカつくんだよ」

 そう言ったのは、3班隊長の黒部 亜土だった。年齢は17歳で、緑髪のケアブリーチの髪型をしている。普段は怖い人ため、隊員からは恐れられているそうだが、彼は⁺Sの怪物を単独で駆逐するほどの実力家だ。

 「まあまあ!ここで喧嘩腰はやめよう」

 そう言ってくれたのは、2班隊長の芦屋 凛だ。年齢は20歳で、桃髪のハイトーンカラーの髪型をしている。優しい性格であり、隊員からは「女神の性善」と呼ばれるほど。彼女も黒部と同じ⁺Sの怪物を単独で駆逐する強さを持っている。

 「ここは会議室よ。はしゃぐならあそこのショッピングモールで行きなさい」

 彼女は1班隊長の菖蒲 千早だ。年齢は21歳で、怪物駆逐隊の中で最年長であり、薄い紫髪のグラデーションカラーの髪型をしている。芦屋とは真逆の性格で、冷たい目線をしている。彼女は⁺Sの怪物で単独では難しいが、代理達と副代表の人達にサポートをしており、網干からは神のサポートですと言われるほど。

 「……」

 なにも喋らずただ書類を眺めている男。4班隊長の鷹取 北斗だ。年齢は19歳で、黒髪のナチュラルラウンドマッシュパーマの髪型をしている。彼はいつも静かな人だが、去年の副隊長の時に一体のVの怪物を単独で撃退するほどの功績を持っている。

 「お前いっつも静かだな。たまには表情を出しなよ」

 明るい声を出す男。5班隊長の雲雀丘 花屋敷だ。年齢は20歳で、赤髪のナチュラルな2wayセンターパートの髪型をしている。いつも明るく優しい人だが、⁺Sの怪物を累計で50体倒すほどの強さを持っている。

 もう一人は6班隊長の榊原 流星がいるが、欠席扱いになっている。年齢は18歳で、青髪のスタンダートマッシュの黒メガネをしている人だ。舞子は網干に話しかけた。

 「さてもう時間だし、始めようか」

 「そうですね」

 すると、舞子が席から立ち上がる。

 「これから会議を開く。起立」

 全員一斉に立ち上がる。

 「礼」

 全員一斉に舞子の方に礼をする。

 「着席」

 全員一斉に座った。

 「まず資料の地図を見てくれ。一週間後に実施する大規模巡回の配置だ」

 地図には天王寺駅前の交差点で5班の配置、駅の構内で1階で副代表1名、地下1階で2班、阿倍野歩道橋で3班、4班、5班、ショッピングモールで副代表1名、1班となっている。

 「あの、なんで阿倍野歩道橋で3名が必要なんですか?」

 そう言ったのは黒部だった。

 「本来2名で配置する予定だが、5つの出入口があるから、2名だと厳しいから3名に増やした」

 「なるほど」

 「でもなぜ阪堺電車の出入口は対象外してるんですか?」

 今度は芦屋に質問してきた。

 「あそこはそこまで混雑してなかったから、あそこのエリアは対象外にしたんだ」

 「そうなんですね」

 「で、配置の事だが……網干、皆に言ってくれ」

 「はい」

 網干が配置の事について説明してくれた。

 「えっと……」

 「えっとはいらない。お前それ言ったから今月の給料減給な」

 「そんな!」

 すると全員笑いだした。

 「網干、お前ってアホだな!」

 「ぶははは!!お前、センスあるって!」

 黒部と雲雀丘は笑いながら言っていた。ちなみに怪物駆逐隊の会議中でえっとなど言った場合、給料が減給される。

 「ゴッホン!網干、もう一回」

 「あ、はい!」

 再び網干が配置の事について説明した。

 「まず配置についてなんですが、天王寺駅前の交差点で雲雀丘、天王寺駅の構内で高石と芦屋、阿倍野歩道橋で黒部と鷹取と榊原、ショッピングモールの構内で僕と菖蒲。以上が今回の配置です。なにか異議ある方は……いませんか?」

 「いや、今回はこれで全然ありだと思う」

 「私も賛成だよ」

 黒部と芦屋がそう言った。

 「みんながそう言うなら、私はいいよ」

 「俺もだよ」

 菖蒲と雲雀丘も賛成してくれた。

 「なら、これで実施します!」

 網干は笑顔で言った。

 「あ、あの……」

 自信のない声を出している人がいた。鷹取だった。

 「どうした?」

 舞子がそう言うと鷹取が舞子に質問した。

 「代表はどこに行くんですか?」

 「ああ。それに関してだが、私は歩道橋で行く」


 大規模巡回まであと5日


 赤穂は代表室に行った。

 「失礼します」

 「入って」

 赤穂が代表室を入った。扉を閉め、舞子にお願い事を言った。

 「あの、明日……休んでもいいんですか?」

 「明日?うーん……駄目だ。行け」

 「で、でも……」

 赤穂は少し粘ろうとした。

 「なんだ。私に逆らうつもりか?」

 舞子は笑顔で圧をかけた。

 「あ、いや……なんでもないです」

 「他にないなら帰れ」

 赤穂は扉を開けた

 「失礼します」

 代表室から出て、扉を閉めた。

 うわあー明日どうしよう!明日yukizarashiのライブがあるけど、どーしよう!

 ちなみにyukizarashiは青森県を代表する覆面ロックバンドである。

 

 大規模巡回まであと4日


 舞子はスマホで時刻を見ていた。時刻は午前9時だった。

 「あいつ、まさか……」

 舞子は高石がいる室内で言った。すると高石を見つけ、赤穂がいるか確認した。

 「高石、赤穂は来てないのか?」

 「はい。あと赤穂は連絡も来てないです」

 舞子は少し笑い始めた。

 「代表?」

 「あいつ、殺しに行くわ。ごめん高石、今日は私の仕事頼んでもいいか?」

 「あ、はい。大丈夫ですよ」

 「すまない」

 舞子はすぐここから出て行った。 

 

 正午

 

 赤穂は福島駅のとある喫茶店にいていた。ハットの帽子を被り、マスクも着用していた。そう、舞子から確保しないための対策だった。

 頼むからバレないでくれ。

 一方舞子は中之島エリアで赤穂を探していた。

 「あいつまじで許さん」

 

 午後4時


 赤穂はグランドキューブ大阪の場内にいていた。yukizarashiのグッズを買っているようだ。

 「あの、3番と4番と5番で」

 「かしこまりました」

 すると3枚の服が従業員が置き

 「15000円です」

 「リタでお願いします」

 電子決済で払い、リタリタと携帯から鳴った。

 「ありがとうございました」

 礼をして、あとは開場時間を待つのみだった。

 すると赤穂は驚きの目を見ていた。そうまだグッズを買い並んでる人の中から舞子がいたのだ。赤穂はすぐここから離れて行った。

 なんで舞子さんがいるんだ。てかなんでyukizarashiの事を知っているんだ。

 舞子は腕時計を見た。

 まだグッズは売ってるのかな?


 開場時間 午後6時

 

 赤穂は前から3列目の真ん中から少し左よりに座っていた。

 舞子さんと遭遇したけど、とりあえずバレてないから大丈夫だよな。

 すると右の隣の座席にキョロキョロしている人がいた。

 え、嘘だろ!

 赤穂はかなり驚いていた。そう、舞子だった。

 「あの、この座席って……ここで合ってますよね」

 ヤバい!話かけられた!

 赤穂は普段の声を、高い声で出した。

 「はい。ここで合ってます」

 「ありがとうございます。赤穂さん」

 「はい!……!?」

 舞子は赤穂の隣に座り、肩を思いっきり強く掴んだ。

 「よくも無断欠席したな、貴様。あとで50本の骨折ってやるから」

 赤穂はガタガタと身体ごと震えていた。

 「それはさておき、yukizarashi知ってたんだ」

 「まあ、はい。3年前から」

 「私は5年前から」

 赤穂は舞子に質問する

 「あの、yukizarashiを知ったきっかけはなんですか?」

 「きっかけは、文化庁から受賞したニュースを見たのがきっかけで、冬を待っていましたの曲を聴いたら、とてもいい曲で、理想的な音楽だったので、それがきっかけなんだ」

 「そうなんですね」

 すると会場の照明が突然消えた。

 「まあ、今回は許すよ。だから一緒に聴こう」

 「はい!」

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