第11話 隠された過去
10月29日(水曜日) 午前7時
赤穂は目を開けた。ベットから起き上がりカーテンを開くと、雨が降っていた。数秒間雨を見ていた。するとある事を思い出す。
私はあなたの事を知っている
紫色の女性……誰なんだ
赤穂は歯磨きなどをしてうがいした。その時、鏡に紫色の女性が現れた。赤穂は顔を上げると、鏡に映ってる紫色の女性がいることにかなり驚いた。後ろを振り返ったが、紫色の女性はいなかった。
「気のせいか」
赤穂はリビングの方に行った。玄関の外に誰かいた。紫色の女性だった。
「あいつの息子が彼か……」
そう言うと、紫色の女性はここから歩き去った。
怪物駆逐隊 本部
赤穂は書類を見ていた。その書類は駆逐対象 高岡 有留 怪物階級 Sと書かれていた。一週間後には天王寺駅周辺で大規模巡回される予定なので、赤穂はこの書類を見て、絶対倒さないとと思っていた。数時間後、赤穂は高石と一緒に必殺技の練習をしていた。
「まだ集中が足りない。このままだとお前は皆から期待されないぞ」
「はい!」
赤穂は必至に集中していた。だがまだまだ集中が必要そうだ。
大正区 ドーム前千代崎駅付近
「があああ!」
中年の男性が怪物に背中に斬られ倒れた。もう一人の中年の男性がいるが、かなり怯えていた。
「頼む!殺さないでくれ!」
「人間にそんな言われる筋合いはない」
怪物は刀を右手に持ち、彼を殺そうとした。
「やめろ……やめてくれ……やめろ……やめろ。やめろ!やめろ!!やめろろろろろ!!!!!」
怪物駆逐隊 本部
赤穂は書類を整理している時だった。一本の電話が鳴り、赤穂は電話をした。
「はい。怪物駆逐隊の本部です」
すると赤穂は驚く顔をする。
「はい…… !?え、嘘でしょ!」
大きな声で言う赤穂。すると舞子が赤穂の方にやってくる。
「どうした?何かあったのか?」
「それが……高岡が現れたらしいです」
舞子は少し驚いた顔をした。
「代われ」
「あ、はい」
赤穂は電話を舞子に渡した。
「もしもし、私だ。どこで起きたんだ」
数秒後
「分かった。今すぐ向かう」
舞子は電話を切った。
「赤穂。ついて来い」
「あ、はい。場所は?」
「大正区だ」
数十分後 大正区 ドーム前千代崎駅付近
赤穂と舞子は事件現場を訪れた。また怪物駆逐隊の隊員だけではなく、怪物捜査官数名もいていた。
青暗い服は誰だろう。怪物捜査官か?
「代表。お疲れ様です」
「ああ、お疲れ。奴が来ると、MIAもほってはいけないだろうな」
「そうですね。」
すると一人の捜査官が舞子の方にやって来る。
「あれ?代表じゃないですか?」
笑顔で言いながらやってきた。彼の捜査官は今宮 相馬だ。今宮は20歳で、人を見下す性格悪い奴であり、階級は準高等捜査官である。
「何しに来た。雑談するならどっか行け」
「いやいや。せっかくお会いしたんだから、なんか話しましょうよ」
「お前に話す気はない」
舞子は傘を持ちながら、遺体の方に行った。しかし今宮は舞子に愚痴発言をする。
「あれ?逃げるんですか?俺より弱いから仕方ないか。だってお前はあの時一般人を裏切り、数百人の命を殺してしまったからな」
舞子は動きを止めた。
あの時、あの時ってなんだ?
「お前は一般人を殺したただの殺人者。何も出来ない廃棄物、吐瀉物、人間のゴミカス、怪物の協力者。あ、お前の母親って怪物だっだな!なんでお前がここの立場にいてるんだ。怪物の世界に帰れ」
舞子さんの母親は怪物?何言ってんだこの人は。
今宮が言ってる間に徐々に隊員達と捜査官達が二人の方を見ていた。舞子はキレたのか傘を捨て、素手で殴ろうとした。
やばい!止めないと!
すると赤穂は舞子を止めた。
「舞子さん!やめましょう!」
「離せ!」
「あーあ。殴ってもいいけど、俺は権力使えるからな。お前の人生を終わらせてもいいんだぜ」
嬉しそうな顔で今宮は言った。
「貴様!」
「もうやめましょう!」
すると今宮は赤穂にも愚痴発言をする。
「お前は確か白兎の息子か。お前も弱い人間だろ。そしてお前の父親も今植物人間だっけ。父親も弱い人だな。高山家って弱い奴しかいてなさそう」
笑いながら今宮は言った。すると赤穂は舞子の右腕と左腕で掴むのをやめ、低い怒りの声を出す。
「おい」
その声が空気が一変する。今宮の余裕の表情は徐々に亡くなった。
「……わすぞ」
「は?聞こえないんだけど」
すると赤穂は柵を一発で破壊し、ここにいる人達全員が驚き始めた。赤穂は破壊した柵の棒を持ち、殺意のある言い方をする。
「いてまわすぞ」
今宮はかなりビビった。赤穂は今宮の方に歩こうとしたが、舞子に右肩に掴まれ止められた。
「もういい」
「クッ!覚えてろよ!この件は上に報告するからな!」
今宮はここから去って行った。赤穂の表情はまだ怒っていた。
「赤穂。もういいよ」
すると赤穂は普通の表情になり、舞子の方に見た。
「あ、は……はい」
赤穂は自分が破壊した柵を見てこう思った。
僕は、何をしたんだ。
夜 怪物駆逐隊 本部 代表室
赤穂は過去の資料を調べるために代表室を入っていた。舞子は本を読んでいた。すると赤穂はある事を言う。
「あの舞子さん」
「何?」
「現場にいたとき、捜査官があの時一般人を裏切った言われてましたが、あの時何があったんですか?」
その質問に対し舞子は拒否した。
「すまないが、その質問は答えない」
「そ、そうですか」
舞子さん、多分何か隠しているかもしれない。
翌日 (木曜日)
赤穂は必殺技の練習していた。
「備前!」
まだ発動はしなかった。しかし高石はこんな事を言う。
「お前、発動はしなかったが少し集中が上がってきたな」
「ほ、ほんとですか!」
「ああ。少し成長してきたな」
「ありがとうございます!」
高石は少し微笑んだ。赤穂はある事を言う。
「あの高石さん」
「なんだ」
「舞子さんの件ですが、舞子さんは何か隠しているんですか?」
「なぜそんな事が思うんだ。」
「昨日捜査官にあの時一般人を裏切ったと言われて、舞子さんは過去に何かあったのかなと思って」
高石は舞子の隠された事を少しだけ言った。
「誰にも言うなよ」
「あ、はい」
「あの時は恐らく2年前に起きた泉南市のショッピングモールでおきた襲撃事件で、舞子が一般人に避難ルートを誤って危険なルートを指示してしまったんだ」
「!?」
赤穂はかなり驚いていた。
「これ以上言ったら怒るところじゃ済まされないから、これしか言えない」
「そう、ですか」
舞子さんが、そんな事を……
だがこの襲撃事件は謎だけのままであり本当に舞子がそんな事をしたのか、まだ分かっていない。何らかのきっかけで噂が広まった可能性がある。またこの襲撃事件の資料、過去の新聞などはなぜか消えている。
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