第10話 必殺技の使い方
この人って誰だろう?
「その人は?」
舞子は右腕で赤穂の首を掴んでいるのをやめた。
「ああ。そいつは今月から入隊してきた高山赤穂だ」
「高山って、あの白兎の息子ですよね」
そうだと舞子は頷きながら言った。
「あの、この人は?」
「その人は高石海斗。副代表を務めているんだ」
マッシュで右から斜めている青髪。彼が高石 海斗だ。年齢は18歳で、舞子と同じ年である。高石は副代表を務めており、去年の怪物駆逐隊が集計した怪物駆逐数は500体倒す異例の人だ。
彼はいつも無表情である。なぜ無表情になっているのか舞子も分からないと言われている。
「君が高山赤穂か」
「はい」
「よろしく」
高石は右手で握手しようとし、赤穂は左手で握手した。
「今日から当分の間、高石と同行する」
「な、なんでですか?」
「お前、必殺技出来ないんだろ。必殺技がないと戦うのが難しくなるから、高石に必殺技のやり方を教えられろ」
「でも舞子さんでも教えれるでは?」
「私は教えるの下手だから、高石にしたんだ」
赤穂は高石の方を見た。
「じゃあ高石、赤穂を頼んだ」
「はい」
午前10時
高石と赤穂は地下放水路に行った。高石は赤穂の方を見た。
「じゃあ必殺技を教える」
「はい」
「まず必殺技は地名や駅名で言えば出来る技だ。だが全ての地名や駅名で言える訳ではない。言える物が限られているからな」
地名や駅名は全て言える事が出来ないのは、禁じられた技やリスクが高い技、その必殺技で中でしか出来ないものがあるからだ。禁じられた技やリスクが高い技は舞子によって封印されている。
「じゃあどうすれば……」
「公認されてる必殺技を言う」
現在公認されてる技は 備前 鳳 太秦天神川 米子 須磨 伯耆 河内天美など数えきれないほどある。
「お前に三つ覚える技を言う」
三つ……どんな技なのか?
高石は三つの技を言った。
「覚える技は、備前と海南、そして魚崎だ」
備前は岡山県備前市にあり、その技は火を使う技、海南は和歌山県海南市にあり、その技は水を使う技、魚崎は兵庫県神戸市東灘区の阪神電車の駅であり、その技は大きな魚を使い、怪物を食べる技だ。
「備前、海南、魚崎……どんな技なんですか?」
「今から見せるからよく見とけ」
高石は刀の柄を右手で握りしめ、必殺技の準備をしている。赤穂は近くにいたら危ないと思うので、少し距離を離れた。高石は深呼吸をした。
「備前」
高石が刀を開き振った。すると刀の反りから燃え始め、振った直後に火を出し、振った方向から平行に飛んで行った。
「これが、備前」
「ああ。次は……」
再び刀を鞘に入れた。
「海南」
言った同時に刀を出し、斜めに振った。すると振った同時に水が出て始め、あそこに置いてある物が半分に斬ってしまった。
「すごい」
「ラストは魚崎。これを使えば強いぞ」
高石はまた刀を鞘に入れた。すると目を閉じた。数秒間沈黙だった。そして目を開き、刀を出す同時に言う。
「魚崎」
すると高石の後ろから大きな魚が現れ、彼は走っていった。先ほど斬った物を刀で振ると、魚が物を狙い、そして食べたのだ。
それを見た赤穂はあまりにも驚いた。
嘘だろ……
「この技は怪物を食べることが出来る」
「そうなんですか……」
そして必殺技を解除し、魚は水で崩れていった。
「以上が3つを覚える技だ。まずは簡単な技を覚えよう」
「はい!」
数分後
「まずは備前。この技は誰でも出来る技だ。その技は火を使うことができ、好きな方向を振ると、数メートルの距離で火で攻撃できるんだ」
「なるほど」
「やり方は簡単。まず刀を持ち、頭を集中させる。そして集中出来たら、必殺技を言う。それだけだ」
刀を開いてと高石が言うと、赤穂は刀を開いた。
まず頭を集中させないと。集中……集中……
赤穂は目を閉じた。沈黙な空気だった。数十秒間この状態が続いた。数十秒後、赤穂は目を開け、必殺技を言った。
「備前!」
しかしその技は発動しなかった。数秒待っても発動しなかった。赤穂は首を傾げた。
「なんで……」
「お前の集中力が足りない」
「そんな」
「よし次」
赤穂はもう一回必殺技の練習をした。今度はさっきより集中力が上がったような気がする。赤穂が集中開始してから一分経過した。そして目を開けて、必殺技を言った。
「備前!」
だがまた発動しなかった。
「まだ集中が足りない」
赤穂は右手に刀を強く握りしめた。
「お前、集中するのに時間かかり過ぎだ。普通の人なら5秒から10秒くらいで済むぞ」
「え!?そんな短時間で出来るんですか!?」
「ああ。ほとんどの隊員は短い時間で出来る。ほら次」
その後赤穂は何回も必殺技の練習をした。練習してから数時間後、結局発動することが出来なかった。赤穂はかなり落ち込んでいた。
そんな、集中ってそんなに難しい事なのか?集中は出来たはずなのになんで発動しなかったんだ。自分の甘さなのか……
すると高石がこう言った。
「落ち込むな。最初から出来る人なんていない。俺の時だってお前と同じだった。お前の努力次第、練習したら出来る。だからそんなに落ち込まなくてもいいよ。頑張ろう」
「はい……」
午後11時
赤穂はベットで横になっている。
やっぱり僕は、必殺技使う事が出来ないのか?
そう思いながら目を閉じた。
ん……ここは……
赤穂は目を開くと、屋上の場所にいた。あそこに下から街の明かりが見えてきたので、赤穂はその方向に歩いて行く。すると後ろからいきなり怪物が現れた。
「おらぁー!」
「!?」
赤穂はすぐ刀を開き、怪物の攻撃を防御した。しかし怪物の攻撃が強かったので、赤穂は吹き飛ばされた。赤穂は立ち上がろうとするが、後ろには柵がなく、落ちたら終わりだ。
「さあ、もうお前の命は終わりだ」
「クッ……ここまでか」
すると一人の白髪の男が現れた。
「誰だ!」
「……」
すると白髪の男がすぐ怪物の方に行き、刀で攻撃し、一発で大ダメージを受けた。
「ぐはぁ!」
斬っていたところから出血し始めて、怪物は態勢が崩れた。
「き、貴様……だがこれで終わると思うなよ。まだ隠したものがあるからな」
隠したもの?
すると怪物は身体から手で突っ込み、何かを掴んだ。
「もし一歩でも動いてみろ。ここエリア範囲で爆発する……」
怪物は刀で首に吹き飛んでしまった。怪物の後ろにはロングレイヤースタイルみたいな髪型をしていた紫色の髪をしている女性がいた。
この人達、誰なんだ。
すると紫色をしている女性が赤穂の方へと行った。だが彼女は殺意があった。刀を赤穂の方に向いていたからだ。
そんな……逃げないと。
赤穂は逃げようとした。しかしすぐ目の前に彼女が現れ、身体ごと押され、赤穂の首を当てた。
もう、ここまでなのか。
すると彼女はこんな事を言う。
「私はあなたの事を知っている」
そして刀で首に斬られた。
「!!」
赤穂はすぐ目が覚めた。過呼吸をしていた。大きく息を吸い、頭を冷静にした。
「夢だな……」
赤穂はすぐ寝た。
私はあなたの事を知っている。
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