第9話 逆転
「ここからはもう、お前の攻撃は通用しない。」
舞子の目が少し紫に光っており、刀も光った。その影響か舘岡は先程より余裕の表情が無くなっていた。
「クッ!」
舞子は舘岡のところに素早く行き、再び戦い始めた。舞子は刀で思いっ切り上から振り、避けられてしまったものの勢いは止まらなず、地面を叩き潰し、直径数メートルぐらいの範囲で地面がへこんでしまった。
「まじかこいつ」
その直後、舞子は舘岡の顔を足で思いっ切り蹴り、建物の壁まで蹴り飛ばした。初めて舘岡が喰らった攻撃である。
「ぐはっ!」
口から血が出始め、大ダメージを受けた舘岡。しかし舘岡はある攻撃を仕掛ける。
「!!」
何かに気づいた舞子。するとその瞬間、前から長い棒に撃ってきて、舞子はここから離れていく。徐々に煙が薄くなると舘岡の姿が見え、何か両手を開いている。
「ふははは!俺が負けると思った?まだ隠してたんだよ。この攻撃を」
両手には真ん中に穴が空いており、そこから先程攻撃した長い棒は、あの両手の穴から出したものだった。
「なんだその攻撃?初心者攻撃か?」
「あんま舐めた言い方すると、痛い目にあうぞ」
舘岡は立ち上がり、再び両手で長い棒で撃ち始めた。
「もうその攻撃は通用しない。」
舞子は飛び上がり、舘岡は舞子の方に狙い撃った。しかし舞子は空中にいてながらも舘岡の攻撃を全て避け
「郡山」
その技を言うと刀から光が発生し、その光に触れると大ダメージを受けることになる。
「グワアッ!」
舘岡の身体に刺さり、そして光の攻撃を喰らった。身体ごと感電し、全身がビリビリと痛くなっているのだろう。
「があああああああああ!」
後ろごとに歩いて下がり、体制が崩れた。すると赤穂が徐々に立ち上がり、舞子の方のところに歩いてきた。
「お前、ここで勝ったと思うなよ」
「逃げるつもりか」
舞子はすぐ舘岡のところに行き早くとどめを刺そうとした。しかし舘岡はすぐここから逃げ始め、右手で粘着のような物を出し始め、建物の壁を使って逃げ去った。
「くっそ」
赤穂は舘岡が逃げていくのを見ていた。まるで漫画に出てくるようなアクションだと思っていた。
あんなの卑怯すぎる。
あいつらしか出来ない技なのか?
「はやく駆逐すれば…」
「あの……」
赤穂が何かを言い始め、舞子はその一言で赤穂の方を見た。
「何?」
「さっきのって、僕にも出来るんですか?」
「いや、お前はまだ出来ないと思う。あとまだ必殺技すら覚えてない時点であれしてもお前は除外される」
先程赤穂と舞子の刀で起きた光の点滅は攻撃力が5倍になるものだが、発動する確率は極めて低く、ランダムで選ばれる。また赤穂みたいにまだ必殺技が覚えていない場合、その人はランダム対象外となり、他の人達でランダムで選ばれる。
「大丈夫。お前はいつか出来るから」
舞子は赤穂の肩を軽く叩いた。
でも本当に出来るんだろうか。
今回の件は舘岡は逃がしてしまったが、舞子の攻撃力の影響で館岡には大ダメージを喰らうことが出来た。
やはり彼女は強かった。まるで稲妻の女王のように。
翌日 10月27日 (月曜日)
昼休みから赤穂は学校に登校した。赤穂が学校に行くのは約一ヶ月ぶりだ。
教室に入ろうとする直前、徳山がすぐ赤穂の方に肩を掴んだ。
「よお!お前いつまで休んでんだよ!心配してたぞ!」
「ああ、うん。ごめん、来れなくて……」
数時間後、彼らは屋上で話していた。屋上にいてるのは彼らだけだった。
「一か月間、何してたんだ?」
「精神的にきてしまって、部屋に引きこもったんだ」
徳山は手すりを背中でもたれた。
「お前本当に大丈夫なのか?」
「今は精神が安定しているから大丈夫だよ」
「そうか。あんまり一人で抱え込むなよ」
徳山は心配しそうな表情をしていた。
「もし困ったら俺を呼んで」
「え、でも……」
「お前、両親いないだろ。お前一人じゃ厳しいよ。だから俺を呼んでくれ。いつでもな」
「うん」
本当はこの話は嘘だけどね。
家に帰ると赤穂は室内用の私服に着替え、ソファーを座りながらテレビのリモコンをつけた。写っていたのはニュースだった。
またしても怪物に関するニュースだった。
「昨日の夜、難波の繁華街で怪物に殺害される事件がありました。男性3人と女性2人が死亡し、その他にも2人が重傷を負いました。死亡した5人のうち、男性2人と女性1人は首に斬りられ、即死だったようです。これにより怪物捜査庁は…」
赤穂はテレビを切った。
あそこは治安があんまり良くないから行ってないな。
あと、怪物捜査庁ってなんだ?
翌日 10月28日 (火曜日)
朝から本部で代表室にいている赤穂と舞子。赤穂は大正区の怪物被害数を集計していた。
「まだ時間かかる?」
「はい。でももう少しで終わります」
「分かった。その資料は怪物捜査庁に出すから」
あ、そうだ。
赤穂は舞子に質問し始める。
「あの、怪物捜査庁ってなんですか?」
すると舞子は少し驚き始めた。
「お前まじで知らないのか?」
「はい」
舞子は呆れた表情になった。
「怪物捜査庁。通称MIAで、政府が新しく設立した機関。本部は梅田で、大阪府全体に置いてある」
「怪物捜査庁と怪物駆逐隊の違いはあるんですか?」
「ああ。怪物捜査庁は善良な怪物は駆逐しないが、私らの怪物駆逐隊は全ての怪物を駆逐する。その違いだ」
「なるほど」
怪物捜査庁は一番上である最高官の名前が伏せられている。またMIAの意味は(Monster Investigation Agency)の略称の意味である。その他にも西淀川区には武器開発があり、大正区の鶴浜では収容所が置かれている。
「もうすぐ来そうだな。赤穂はここで待って」
「はい」
舞子は代表室から出た。出入口の方に行くと、そこには怪物捜査官がいた。
「こんにちは。下等捜査官の篠山 大和と言います」
「もう名前紹介するの大丈夫だよ。もう会ってるし」
「あ、すいません。ちょっと癖があって……」
彼は篠山 大和という人で、怪物捜査官の下等捜査官である。目まで髪があるのが特徴だ。
「では資料を」
「ああ。これ」
舞子は左手から資料を渡し、篠山は受け取った。
「ご協力感謝します」
「いえ、こちらこそわざわざ来てくれて来てくれてありがとうな」
ではと篠山は言い、ここから歩き去った。一方代表室では赤穂が何かの本を読んでいた。その本は「伝説 最強の3人」という本だった。
「ん?なんて読むんだこれ」
古い本だったので、文字がかすれているため、名前が分からなかった。だが微かに二文字の名前が見えた。
「米子…」
すると舞子が代表室から入ってきた。
「赤穂。何読んで……」
すると舞子は驚くような表情だった。
「赤穂!貸せ!」
「え、ちょっと」
すぐに本を奪い、本棚に置いた。
「まだ本読み終わってないじゃないですか!」
「その本は駄目だ」
赤穂は不思議に思っていた。
「この本は極秘情報が入っている。お前、名前とか見てないだろうな?」
「えっ……見てませんよ」
「おい。今考えただろ」
「考えてません!」
すると舞子は赤穂を追いかけようとし、赤穂はすぐ逃げ、二人とも代表室に走り回っていた。そんな時に誰かが代表室の方へと歩いてくる。
マッシュで右から斜めている青髪。そしてドアにノックする。
「失礼します」
「どうぞ」
舞子は赤穂の首を右腕で締めながらの態勢で言った。赤穂は死んでいるようだ。
ドアを開き、中に入る青髪の男。
「なにやってんですか?代表」
「ああ、こいつの極秘情報の本を読んでしまったから、今苦しみの刑をしているんだ」
すると赤穂は青髪の男を見た。
誰だ、この人は?
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