第7話 夜の悲劇
10月24日(金曜日) 午後9時
難波(ミナミ)エリア
天気は雨で、傘をさして歩く一般達。なんばHatchの近くにある浮庭橋で若者のカップル2人が傘をさしながら歩いていた。
「裕くんが言ってた通り、あそこの店は美味しかったよ。」
「だろ!俺が言った通りだっただろ。」
二人は楽しながら歩く。すると女性が橋の真ん中辺りで歩くのやめ、彼の名前を言った。
「あの、まだ…時間が…あるなら、裕くんの家に泊まってもいいかな?」
男性は驚いた表情だった。
「ほ、本当にいいのか?」
「うん。」
そして
「いいよ。」
その瞬間、女性は嬉しくなった。しかし次の瞬間だった。
「俺の家すぐそこだか……」
男性は突然、後ろから背中に刺され腹の辺りから血が出始めた。
「え……」
あまりにも突然だったので女性は笑顔が徐々になくなった。下を向くと男性の腹から血が出ているのを見て悲劇な表情になった。
「そ、そんな……」
そしてもう一発後ろから背中に刺され、腹まで手で貫通した。腹の中から手を抜くと、男性は倒れ始め倒れた辺りから血が溢れ出し、右手にさしていた傘は力がなくなり地面に落ちていった。彼はもう死んでいるのだろう。
「きゃあああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」
女性は悲鳴を叫び出した。すると倒れた彼の方に見ると、そこには怪物が現れていた。両目に紫が光っていたので一瞬で怪物だったことが彼女は分かっていた。
「なんだ…美味しくなさそう…」
怪物は右手に金属アームのようなものを出し始め、また男性の身体を刺し、思いっきり橋の高欄にぶつけた。彼女は急いでここから逃げようとしたが、後ろから金属アームのようなもので腹に刺された。彼女は口から血が出始めた。
「どこに行くんだ……お前もここで死ぬんだよ。」
怪物はその彼女を後ろに放り投げ捨て、彼女の方へと歩いた。
「さて、meal time(食事の時間)だ。」
そこに置いていた傘が血で飛び付いた。
翌日 10月25日(土曜日) 午前9時
翌日も雨で、雲も暗かった。浮庭橋は閉鎖になり、ブルーシートで貼られていた。赤穂と舞子は亡くなった二人の遺体を傘をさしながら見ていた。まずは男性の遺体をブルーシートを持ち上げながら見た。
「これはひどいな……身体が穴に3つも空いてる。」
隊員はこう言った。
「事件発生時刻は午後9時4分。二人ともその場で死亡、おそらく即死状態だったと思います。目撃者はいませんでしたが、近所の住民からは大きな悲鳴とドンドンという音が聞こえたそうです。」
「そうか。ご苦労。」
舞子は次の遺体の方に行こうとしたが、赤穂は見当たらなく、キョロキョロと探していた。すると赤穂を見つけたが、赤穂は両手で隠していた。
「赤穂…って、なんで顔を隠すの?」
「僕、グロイものを見るのが苦手で……」
「あー苦手なんだ。あっちの方に行って。」
「はい。」
赤穂は桜川方面に歩き、橋の真ん中で景色を見た。舞子は女性の遺体をブルーシートを持ち上げながら見た。
「こっちの傷も穴が空いてるのか。右肩に喰われてる傷もある。怪物は相当悪質な襲いをしてるな。」
その後赤穂と舞子は御堂筋の難波方面に歩きながら喋っていた。
「怪物って人を支配することが出来るらしいですが、どうやってするんですか?」
「彼らのある能力を使って人を操れる。」
「そのある能力って……」
「いまだに分かっていない。」
信号機が赤になったので、二人は歩き止めた。
「お前、学校行ってないけど大丈夫なのか?」
「月曜日から学校に行くので大丈夫ですよ。」
「出来るだけ行けよ。」
午後12時
二人は本部に戻り、代表室で事件の資料などを調べていた。すると赤穂はある文字で目が止まった。その文字は「怪物駆逐隊最強の技 白兎」という文字だった。
「あの、怪物駆逐隊最強の技 白兎についてなんですが……」
「ん?白兎の事か?」
「はい。」
舞子は左手に持ってる資料を机に置き、赤穂の方へと見た。
「その技は君の父親、白兎が作り生まれた技だ。その技は怪物駆逐隊の必殺技の中でも一番強い技で、上手く使いこなせばVの怪物も倒せる事も出来る。だけどその生まれ方は悲劇な生まれ方になったんだ。」
「悲劇な生まれ方?」
「ああ、どうして悲劇な生まれになったのかは白兎に聞かないと分からない。」
赤穂はその文字の資料を見ようとしたが、舞子に没収させられた。
「てか、そんな資料見る暇があったら今日起きた事件に関連する資料を探せ。」
「あ、すいません。」
午後6時
あれから資料を探し続けたが、今回の事件に関連する過去の資料はなかった。赤穂はかなり疲れていたが、舞子はまだ資料を探していた。その姿を見て赤穂は資料を探し始めた。するとある資料を右手に持ち出し、その資料を見た。するとその資料は今回の事件に関係する過去の事件の資料だった。赤穂は驚き、舞子に報告する。
「舞子さん!見つけました!」
「まじか、見せろその資料を。」
赤穂は舞子に資料を渡した。舞子はその資料を見てある事を思い出す。
「やっぱあいつか。」
「あいつとはいったい……」
「ああ、美味しい人間しか食べない怪物。舘岡瑠真だ。」
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