第4話 特訓

「私について来て。」

「はい。」


舞子は大きな庭園の方に行き、赤穂は舞子の方について行った。二人とも中に入ると、綺麗な庭園だった。


「ここって……」

「ああ。ここは怪物駆逐隊の本部だ。」


舞子は右側の方に歩き、赤穂は舞子について歩きながら庭園を見ていた。数十秒後、舞子は右側に代表室というところに入り、赤穂も入った。


「ここに座って。」

「はい。」


赤穂は左側の柔らかいソファーに座った。舞子は何かを探している。書類を探しているだろうか。数十秒後、舞子は書類を持ちながら右側の柔らかいソファーに座った。


「よし。まずこれ。」


舞子が出したのは、入隊手続きの書類だった。


「これを書いて。」

「はい…」


赤穂は名前、出身地、誕生日などを書いた。しかし舞子はある驚きの表情になった。それは、赤穂の年齢に書く時だった。赤穂は17と書くと、舞子は驚いた。


「お、お前…17なのか?」

「はい。そうですけど……あと、舞子さんって何歳ですか?」

「私は今年で18。」

「え、18なんですか。18とは思えない顔です。」

「ンフフ…そうかな。」


舞子はなぜか嬉しかった。


「あの、ここって本部ですかね?」

「うん。本部だよ。支部は2つあって、南港と梅田にあるよ。」

「そうですか。」

「もう手続き完了だからこれで大丈夫だよ。あと…」


舞子が何故か革手袋を使い、紫色の刀を持ち上げた。何か重要な物なのかなと赤穂は思っていた。


「あの、なんで手袋を使ってるんですか?」

「これは、高山家しか使えない刀だからだ。」

「でもわざわざ手袋使わなくても…」

「高山家以外の人が使ったら、雷並みの1億ボルトが喰らって即死されるんだ。」


赤穂はかなり驚いていた。


「え!?めちゃくちゃ危険じゃないですか!」

「だから手袋を使っている。」


舞子は赤穂の方に向けて持った。


「これ、持って。」

「はい。」


赤穂は舞子が持っている紫色の刀を受け取った。すると受け取った2秒後、急に光が起き始め、刀の周辺には少し風があった。数秒後、光はなくなり、風もなくなった。


「な、なんですか…今の……」

「分からない。私もこの光景を見るのは初めてだ。一体何が起きたんだ。」


二人とも唖然していた。



数時間後



二人は巨大な地下放水路の所に行った。舞子は木刀を持ち出し、こう言った。


「まず、私と特訓だ。」

「え、もうやるんですか!?」

「あたり前だろ。あんまり私の事をあまくすると思うなよ。」


舞子は厳しい表情をしていた。


「赤穂はその刀でいいよ。」

「え、でも舞子さんがケガするんじゃ…」

「私の事を舐めるなよ。」


すると舞子はすぐ赤穂の方に行き、木刀で攻撃し始めた。


「嘘でしょ!?」


赤穂はすぐ避け、舞子から距離を離れた。


「さっきの攻撃、君が避けてなかったら、多分死んでたよ。」

(嘘だろ。てか舞子さん、本気で殺そうとしてる目になってる。)


舞子は赤穂に向かって走り出した。赤穂はすぐ逃げ始めた。


「このまま逃げれると思うなよ。」


すると舞子は赤穂を抜き、舞子は木刀で攻撃した。すると赤穂は刀を出し、防御した。


「クッ!」

「フン…」


すると舞子は赤穂から離れ、構え始めた。


「どうした。さっきから逃げてばかりじゃないか?もしかして私の事、ビビっている?」

「い、いえ!ビビってません!」


本当はビビっている。


「じゃあ来なよ。」


赤穂は舞子に向かって走りに行き、赤穂は斜めで刀を振り、攻撃した。すると舞子は避け、姿を消した。


「嘘。どこにいるんだ?」


辺りを警戒する赤穂。赤穂の視界には誰もいなかった。すると後ろから飛び下りてきた舞子が現れ、木刀で攻撃した。


(嘘だろ!)


赤穂はさすがに避けれることは出来ず、舞子の攻撃に喰らってしまう。赤穂は横に転がって行き、5回転で止まった。


「どうした。その程度か?」

「もう、立つことが…」

「言ったよな。私の事をあまくすると思うなよって。リタイアするなら入隊は取り消しにする。」


赤穂は痛そうながらも立ち上がった。


「ま、まだ…やります。」


赤穂は徐々に走り出し、舞子の方へと向かった。赤穂はさっきより強く刀を振り、横から攻撃しようとした。だが舞子は木刀で防御した。


「駄目だ。もっと強く振って。じゃないと怪物に倒されないよ。」

「はい!」


赤穂はさっきよりもっと強く刀を振り、今度は縦で振り、前から攻撃した。だがこれも舞子は木刀で防御した。


「まだ駄目だ。もっと強く。」

「はい!」

(今度こそ!)


赤穂は低く飛びながらも、刀で思いっきり振り、攻撃した。舞子は木刀で防御したが、微笑していた。


「そう。それだ。」


赤穂は嬉しかったそうだ。特訓してから数時間後、夕方の時間帯になっていた。赤穂は壁で持たれ座っていた。すると舞子が赤穂の方に来て、スポーツドリンクを持って来た。


「はい。お疲れ様。」

「あ、ありがとうございます。」

「ごめんね。厳しくして。特訓するとこうなってしまうからさ。」

「あ、いえいえ。自分が弱いのが悪いので。」

「でも赤穂。最後まで諦めないのは凄かったぞ。普通の人ならもう諦めていたからな。」

「あの、今日は本当にありがとうございます。」

「お礼しなくてもいいよ。厳しいけど、頑張ろう。」

「はい!」


その後二人は代表室に行き、雑談していた。


「この刀って、僕の父さんが使っていたんですね。」

「ああ。この刀は引退するまで使っていたんだ。白兎さんが引退した後、この刀を使える人はいなかったんだ。なので保管したんだ。」

「そうなんですね。」


すると舞子は新しい制服を持っていき、赤穂にこう言った。


「はい。これ。」

「これは…」

「明日から君と一緒に行動する。」

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