30
「恋はそれがいつ始まるのか、いつ終わるのか、誰と恋をするのか? あいてがどんな人なのか? 想像ができない。想像ができる恋は恋じゃない。恋は自分が想像できないもの。だからこそ心が揺れる。手に入れたいと本気で思う」秋は小さな胸に手を当てながら、演技をするように言った。
「それは秋のお父さんの言葉だね」
「そうよ。大好きなお父さんの言葉。お父さんはお母さんに偶然出会って、恋をした。そして二人が愛し合って私が生まれた」
「おめでとう」と私は言う。
「夢を見たの。とても幸せな夢だった」
「どんな夢?」興味津々と言った顔で秋は言う。
「もう忘れちゃた」にっこり笑って私は言う。
「忘れちゃたのに幸せな夢だってわかるの?」なんだ呆れたと言った顔で秋は言う。
「うん。わかる。幸せな夢だった」それだけはしっかりと覚えてる。(まくらも涙で濡れていなかったし)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます