第七十二話:必殺、シャッフル戦法
「な、なんですと~~~~っ!」
「ほう、ブルーは前世と変わらぬのだな?」
「レオンさんの二番煎じじゃないですか、ネッケツキラー!」
「そうだな、青く熱い血の娘よこれからは妻仲間としても宜しく頼む」
「む~~っ! 仕方ないですね、でも負けませんから!」
アオイとパイフーが出会ってすぐに揉める。
アオイはパイフーに前世で剣の腕で負けてるからな。
元ネッケツキラーことパイフーをアオイやクラウ達に紹介する。
パイフーのいた街での一件を片付けた俺達。
顔合わせだと、仲間達を雪山の洞窟に集めて合流した。
「ライバルが性別が変わって生まれ変わる、レオンさんと被りますね」
「まさか、あのネッケツキラーがマッカの新たな嫁か」
バッシュとクレインは少し感心した位だった、目の肥えた視聴者みたいに動じないなこいつら。
「マッカさん、嫁は増やさないと言っていたのはどの口ですか?」
「すまねえ、だが知った以上は放置はできなかった!」
クラウがジト目で俺を睨む、すまねえ。
「申し訳ない、私の方から押しかけさせてもらった。 今後は宜しく頼む」
「まあ、他の方が受け入れているなら仕方ないです」
パイフーがクラウに謝る。
「まさか、過去に生まれ変わるなんてね? 私はアップル、よろしく♪」
「ああ、女レッドだな宜しく♪」
「うん、あなたが最後の嫁レンジャーね♪」
「そうだな、マッカの為にも私で最後にせねば♪」
七人目の嫁レンジャー、嫁タイガーが誕生した。
「聖獣の勇者としての名はベラトリクス。 戦隊名はネッケツタイガーか♪」
パイフーが俺を見て微笑む、前世の怪人の姿が背後に見えるんだよな。
「増えたロボの整備の手間分、マッカは妾に奉仕せいよ?」
「アデーレさん、それを言えば私達全員ですわ♪」
「そうですよ! 覚悟して下さいね?」
「責任は取っていただけるんですよね?」
うん、取ります。
「あらあら、じゃあ私は甘やかすわ♪」
「私も、甘やかしに回る~♪」
「こちらもだ、マッカよ甘えるが良い♪」
うん、レオンは火をつけるのが上手いな。
「ちょ、ずるいですよレオンさん達!」
「相変わらず油断ならない方ですわ!」
「まったくじゃのうレオン殿は抜け目がない」
「レオンさん、前世の前世は悪役令嬢だったのでは?」
俺の夫婦生活は、さらに賑やかになった。
「マッカさんのお家の家族会議、国会よりも楽しいですね」
「俺達、良い空気吸っているな」
バッシュとクレインは作戦以外は、視聴者みたいに引いて見てるな。
まさしく、バッシュとクレインは本当に戦での友と書いて戦友であった。
「では、気を取り直して次の行動に映ろうか?」
いつまでも留まってはいられない。
アップルは農耕神の仕事で天に戻った、彼女の力がいるのはラスボス戦だ。
後処理はミンミンさんに任せて、次は敵支配する都市へと向かった。
「風が魚臭いですね、海もないのに」
「魚っぽいエイリアン共がいるんだろう、インスマウスか?」
「クトゥルフ神話を思い出すわね、星魔って」
「SFよりの世界観でしたわね、あの作品」
「似たような連中は実際に宇宙にはいる、面倒だな」
俺とレオンとアオイ、フローラとパイフーの五名だ。
街を移動するごとにメンバーを変えてチームを組んでいる。
ルール―の街は、宇宙人街と言う感じで鮫人間やらグレイなどがいた。
幸か不幸か、敵の文字や会話がわかる。
前世でメタル刑事さんから教わった広域宇宙語だ。
「おいおい、まだ原住民がいたのか? レーザーチェーンソーを喰らえ!」
「熱血一刀流、鮫の輪斬り!」
光る鋸を振り下ろして来た鮫人間を瞬時に輪切りにして焼く。
「悪党宇宙人共、ヒーロー様が追いかけて来たぞっ!」
サイバーパンクな中華街に叫ぶ。
「ヒーロー参上って、意味よねパイフー?」
「その通りだ、レッドらしいな♪」
「何でレオン殿は宇宙語がわかるんですか!」
「前世の通信教育よ♪」
「皆様、ぞろぞろと不法移民の方々が出て来ましたわ!」
俺の叫びで街のあちこちから武装したエイリアン共が飛び出し、攻撃の雨が降る。
「剣と魔法の世界にSFアイテムは持ち込み禁止です!」
アオイが水魔法で反撃し、屋根の上にいる敵を射抜いて行く。
「違法建築の群れは解体ですわ!」
フローラが足踏みをすれば、地震が起こり周囲の建物が崩れる。
「この世界の土の養分になりなさい、ライトニードル!」
瓦礫の中から出て来た敵はレオンが、光魔法で倒す。
「マッカ、敵の本隊が出て来たぞ!」
「遠慮なく狩ろうぜ、パイフー!」
俺とパイフーの紅白コンビは疾風の如く走り出し、灰色のバトルスーツを纏った敵兵を切り捨てて行く。
地球なら宇宙人芋人権がと騒がれるが、この世界では宇宙人に生存権はない。
宇宙から来たエイリアンは皆、星魔。
星魔討つべし慈悲はない、今の俺達は星魔スレイヤーズだ。
「暗黒宇宙忍法、鮫ブッシュ!」
「地面から鮫型エネルギー弾だとっ! これだからエイリアンは!」
敵の堂々とした不意打ちを避ける俺達。
「「聖獣武装っ!」」
敵の攻撃を凌ぐと同時に素早く変身する。
「マッカ、奴はデスシャーク星人だ!」
「忍者服着たノコギリザメ人間に見えるな?」
「鮫って、何処の世界でもいるのね?」
「日本かぶれな鮫さんですわね?」
「忘れかけてるでござるが、ここは乙女ゲームタッチの世界でござるよ!」
そうだな、魔王軍のせいですっかりカオスな世界になったが基本は剣と魔法の乙女ゲームな世界だったんだよな。
「この世界にもヒーローがいたとはな、歯ごたえのあるやつらがいて良かった♪」
サメ野郎がニヤリと笑う。
「我が名は星魔教団サメ忍者衆小頭、鋸のギリギリ―!」
小頭って、微妙な地位だなおい!
「俺達は地球から転生して来たヒーロー、ネッケツジャーだ!」
「転生者? ならばまた生まれ変わるが良い! 出でよ、我が巨大ロボよ!}
ギリギリ―が印を結ぶと、空を雨雲が覆い巨大な鮫型マシンが人型になって落下。
生身戦に尺を取る気はないらしい、楽しやがって!
敵のロボは、黒い鮫人間ロボ。
両肩と胴体と両足の爪先が鮫の頭、頭一杯付ければ良いてもんじゃねえ!
こちらもロボを呼び、レンセイオーと白虎王レオンの二台編成だ。
「よし、ロボの戦闘パターンのチュートリアル戦闘だ!」
「く、レッドと離れていると胸が切なくなる!」
いや、俺達魂で繋がってるからな?
『そちらは二体か、ならば分身で増えれば良い事よ!』
鮫ロボが二体に増えた、忍者あるあるだな。
敵の武器はどちらも鋸の二刀流、俺達はそれぞれのロボの獲物で応戦。
「喰らいやがれ、ドラゴンスピア!」
そっちが鮫ならこっちは龍だと、仲間の武器を使う。
槍を振り回して、敵の鋸攻撃を弾き返す。
「ねえ、そろそろ組み換えしましょうよ~!」
「同感だ、レッドとの合体を希望する!」
胴体が金色のライオンになってる白虎王レオンも、敵の攻撃を弾きながら叫ぶ。
「良し、シャッフルだ!」
「レッドは貰った!」
「ちょ、ベラトリクス殿ずるいでござる!」
「私とレグルス様ですか!」
「何で私、ライバルと合体なの~!」
俺達のロボは分離し、今度は白虎王フェニックスとベアーレンセイオーに再合体。
『おのれ、次からつⒽ着へと小賢しい!』
「忍者に言われたくねえよ!」
「ああ、レッドが私の胸を暖めてくれる♪」
いや、ベラトリクスは今はそう言う時じゃねえ!
『うらやましいでござる!』
『ジェラシーね』
『マッカ様の独り占めはいけません!』
ベアーレンセイオーから恨めしい声が聞こえる。
『おのれ! 色恋に現を抜かすな!』
ギリギリ―のロボが突進して来た、敵の言う事はごもっともだ。
『私達は、色恋の為に戦ってるの!』
『イチャラブの邪魔はさせないでござる!』
『人の恋路の邪魔は行けませんわ♪』
「ああもう、ビャッコレンセイオーレオンで行くぞ!」
敵の突進を期待の分離で回避し、新たな姿ビャッコレンセイオーレオンになる。
頭と胴体は白虎、背中は赤きフェニックス、下半身は青いドラゴン、右腕が金のライオンで左腕が黄色い熊。
合体したら敵ロボットと殴り合い、敵の鋸の二刀流は左の熊の頭と右の獅子の頭の牙が噛み砕いた。
『ば、馬鹿な! 銀河合金製のレーザーチェーンソーが砕けただと!』
「止めだ、レンセイオードライバー!」
武器と心が折れた敵ロボットを抱えて飛翔、空中パイルドライバーで仕留める。
地面から上がる巨大な火柱を背に残心を決める俺達のロボ、これにて決着。
「まあ、カオスながらも力を合わせられるのが家のチームだな」
戦いを終えて俺は呟く。
「退屈しない良いチームだ、加われて良かったぞ♪」
「手強いわね、パイフー」
「レオン殿と同じく油断ならんでござる」
「でも、個性の弱い方では私達とやっていけませんからね」
新たなロボ、新たなメンバーでの行動に馴れて来た俺達だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます