第9話 slip inside this house/primal scream
正直この曲の取捨には迷いました。
けれど、肉体的快楽性(それは脳から来るんだから、変な言葉だけど)に抗うな、という事で。
そもそもprimal screamをそんなに好きじゃないし、カヴァー曲だし。
とは言え、例えばニール・ヤングトリビュートの「the bridge」ってアルバムにはsonic youthのcomputer ageとかdinosaur jr.のlotta loveとか怪作が収められてたり、素晴らしいカヴァーソングはある種表現者としての懐でもあると思います。red hot chili peppersのhigher groundも素晴らしいですね。
原曲は13th floor elevators。
テンポ落としてベースぶいんぶいんなトリップチューンに仕立ててるんですが、まあ、本当primalの作品というよりは、アンディ・ウェザウォールの代表作というか。duran duranのnotoriousがナイルロジャースの作品、みたいな感覚とは別次元でバンドが居ない。screamadelicaってアルバム一枚がそうだから、僕は唯一primalの作品で聴き続けてるんだろうけど、その中でいちばん好きな曲です。
僕が何故primal screamあんまり好きじゃないか
って言ったら、ボビー・ギレスピーの「俺が歌えばなんでもオリジナルでしょ?」みたいなある種の自信が鼻に付いたし、別に自分が関わる割合が小さくても結果良ければそれで良し、みたいな姿勢が軽薄さや節操なさに感じ、それらが「売れたい」って欲求に基づいてた気がしたからです。
なんだかロックっぽく感じなかった。
けど今思えば、自分を知り、潔い方法論だったかもとも思います。
この曲の快楽性に抗えない自分をあのニヤケ面で、だけど目は笑ってないボビーが見てるというか。
批評性って意味で、この上ない表現の最大効率がある気がするんですよね。
そして、そこまで行ければ、それは紛れもない本物である事。
自分なんて、どこ探したってないよ。
目についたもん適当に組み合わせたのが自分。
だから、良いものを探すんだ。
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