第4話 犯人?
首都で全国土の約80%を占めるアズィーム(巨大な)王国、そして…世界的にも発展の著しいダウリー(国際的)王国の他、ジャミール(美しい)王国、アムン(誠に)王国、ハヤーリー(幻想的)王国、および独立から一年遅れて加わったラーメェ(輝かしい)王国の6つの王国で構成されるサハラ王国連邦。
歴史的に各地を統治してきた王国家があり、アリー家(アズィーム王国)、ターヒル家(ダウリー王国)、シャラフ家(ジャミール王国)、アズィーズ家(アムン王国)、フスニー家(ハヤーリー王国)、および独立から一年遅れて加わったライス家(ラーメェ王国)の6つの王国と王家で構成される連邦国家サハラ王国連邦。
大統領は首都【アズィーム王国】のムハンマド・ビン・ラーシド・アール・アリー殿下
副大統領は第二の都市【ダウリー王国】のムハンマド・ビン・ザーイド・アール・ターヒル殿下
努力が実り1966年 に大石油生産国 となった【アズィーム王国】は外貨が止めどなく流れ込 むこととなり、潤沢なオイルマネーで経済発展を遂げている都市。
一方で【ダウリー王国】は、高層ビルなどの建物でキラキラ&ゴージャス感を演出している中東の近未来都市。
日本で言えば、【アズィーム王国】が田園調布、【ダウリー王国】は六本木と言ったところだ。
★☆
海外企業の誘致に成功したこの【ダウリー王国】は、殆どが外国企業。元々の土地所有者は、不動産の賃貸料は相当な額を稼ぎ出している。
「不動産王の異名を持つガイヤースグル-プ社長の息子サラーフと秘密裏に付き合っていた王家の美しいアーリヤ姫だったが、ガイヤースグル-プが 地面師のタ―ゲットにあい大事件に発展した」
「一体それってどういう事?」
「 地面師とは、不動産の本当の所有者になりすまし、ターゲットの買主にその不動産を購入させ、買主から代金をだまし取る詐欺師のことをいい、その事実が分かってしまい、怒り狂ったガイヤースグル-プ側が、徹底的に追及している最中に、事件に巻き込まれて、不動産王の異名を持つガイヤース氏が殺害されてしまった。それで……ボーイフレンドだった息子のサラーフの為に、2人で頻繫に会い慰め勇気づけ励ましていたアーリヤ姫だったけれど、反対にアーリヤ姫が誘拐されてしまったんだ。そして姫と一緒に黄金の鳥まで奪われてしまったんだ」
※地面師:不動産の本当の所有者になりすまし、ターゲットの買主にその不動産を購入させ、買主から代金をだまし取る詐欺師のこと。
「ダウリー王国は殆どが外国企業、その賃貸料金は相当なものだった。土地やオフィスビルなどを外国企業に貸して賃料を取るんです。それはそれは莫大な資金を稼ぎ出していたガイヤース氏だったが、結局はそんな美味しい話に乗らない手はない。ガイヤース氏に成り済まし、バレたのでガイヤース氏は殺害されてしまった」
「全く酷い話だな。チャッカリ不動産王に成り済ますなんて」
「何で関係ない王女様が誘拐されなくては行けなかったんだい?」
「どうも…その話には続きがあるらしい。6つの王国で構成されるサハラ王国連邦だが実は…アズィーム王国やダウリー王国の他に、ジャミール王国、アムン王国、ハヤーリー王国、ラーメェ王国の6つの王国があるが、過去には何もない砂漠地帯で領土争いで争いが絶えなかった。近年目覚ましい発展を遂げている近未来都市ダウリー王国だが、その発展の裏でダウリー王国有数の不動産王ガイヤース氏が、アムン王国の土地を汚い手を使って奪った過去があると聞いた」
「地面師がアムン王国の不動産業者かも知れないという事ね」
「そうじゃ!こういう時こそおマル様。あれ?オマル様が居ない……」
「恋狂い💛恋狂い💛」
「全くこんな時にどこをほっつき回っているのじゃ?」
「妖獣村でオーロラに貢ぎまくっているらしい。すっからかんになったら……どうせまた捨てられるだろう?」
「全く厄介な事じゃ……今度捨てられたら……それこそ……それこそ……今度こそ自殺しかねない。嗚呼……困った困った」
「ともかく早く連れて来てくれ!」
「じゃ~蘭舞留さまがひとっ飛びで行ってくるわ!」
★☆
蘭舞留は妖獣村でデートしていたおマル様を、抱えてあっという間に帰って来た。
「チッ!折角オーロラと楽しんでいたのに迷惑な。にゃん!」
「オオオオオオ!おマル様占いをお願いします。ガイヤ-ス氏がアムン王国の土地を汚い手を使って奪ったというのは事実ですか?」するとおマル様が首を縦に振った。
「おうおうと言うことは、ガイヤ-ス氏が汚い手を使ったという事じゃ。それではもう1つお願いします🙇⤵️地面師がアムン王国の不動産業者の仕業ってのは本当ですか?」
「NO」
「これは話がややこしくなって来た。って事はアーリヤ姫はガイヤース氏の息子サラーフの話を真に受け、悪いのはガイヤ-ス氏なのに、とんでもない勘違いをして誘拐されたって事?」
話が全く見えて来ない。アーリヤ姫はいずこに………。
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