第3話 オマル様ブロークンハート💔
「ふ~~は~~ふ~は~ふ~~は~~😔」
「時折ため息を漏らして……『ふ~~は~~ふ~~は~~』あれだけ食べる事に執着して、デブデブに肥えていたおマル様だったが、オーロラに散々良いようにあしらわれ、金だけぼったくられ、その挙句にトンズラされた痛手は相当なもので、ショックで食べる物も喉が通らない状態で、塞ぎ込んで食欲ゼロのおマル様。一体どうしたら良いんだ?」
「我々『シ-クレット・ソサエティjP』一同も仕事が立て込んでいるので、おマル様の占いの力はどうしても必要。何とかしないと……」
「あれだけ甘い言葉で騙して結婚すると言って置きながら、大金だけ持ってトンズラされた心の傷は相当なものだと思うよ。だから……傷が癒えるまで待つしかない。」
「そんなことしたら仕事が遅れてどうにもならない。そうだ!こうなったら荒療治を施すしかない」
「それってどういう事?」
「それはだなあ、オーロラとそっくりな猫を探すという事だ。そして今度こそ結婚させる事だ」
「エエエエエエェエエエエエッ!そそそ……そんな無責任な……」
「嗚呼……そう言えば化け猫さんは化けるのが得意だから、オーロラとそっくりに化けてもらい、その場しのぎで行くしか無いか?」
「そんな事してバレたら大変じゃ!」
「いいの!いいの!その時になったらまた考えたらいい事で……」
「イヤ~おマル様は恋愛には執念深いから全てがバレて、メス猫ではなくオス猫がオ―ロラに化けていた事実が分かって、ショックで自殺でもされたら大変!」
そう言うが早いか化け猫が現れた。それだけオス猫は需要が無いという事だ。恨めしそうに化けるのは大概女と相場が決まっている。
「嗚呼……何か……?お呼びで……」
「嗚呼……もう来ちゃった。君オスだろう?せめて化け猫のメスはいないのかい?」
「それが…あいにく…化けるのは執念深いメスが多いので、メスの化け猫がフル回転しても足りない状態で……」
★☆
おマル様は今日も妖獣村にある日本集落の『シ-クレット・ソサエティjP』事務所でオーロラに騙されて逃げられた心の痛みを癒している。
だが、騙しと失恋のWパンチで心の傷が相当だったらしく、生きているか死んでいるか分からない、ハキのない顔で日がな一日を只々寝て過ごしている。だから…立つ気力も無い。
そこに何という事だ。ドラキュラ伯爵に連れられたオーロラが現れた。
「あ~らおマル様お久しぶり。会いたかったわん💓😉💋☆C(^ε^)-☆Chu!!チュッチュ」の投げキッス。
「エエエエエエェエエエエエッ!本当にオ―ロラ!本当にそうなのかい?ああああああああ!夢を見ているみたいだ。嬉しい💓顔を見せておくれ」
そして嬉しさの余り定位置から降りようとした時だ。しばらく歩いていなかったのもあるが、それより何より騙された事と失恋💔のWパンチで食事も喉が通らなかった事もあり、お腹が空き過ぎて立つに立てない。
「立てない!嗚呼……お腹空いた。エリック博士、チュ-ルとモンプチと銀のスプ―ン早く持って来て」
「オオオ……オオオ……食欲が沸いたとは……何よりじゃ」そう言うとおマル様の定位置にそそくさとチュ-ルとモンプチと、カリカリした銀のスプ―ンを差し出した。
カリカリ カリカリ ちゅる ちゅる ペチャ ペチャ
「オーロラ妖獣村で食事でもしよう」
「本当ね。出掛けましょう」
あっという間に、たいらげオーロラの元に駆け寄ったオマル様は、上機嫌でオ-ロラと幼獣村に出掛けて行く約束をしている。
『シ-クレット・ソサエティjP』一同は、ホッと胸を撫で下ろしている。
「嗚呼……良かった。良かった。オマル様はすっかり元気になった。これで一安心」
「それでは黄金の鳥とアーリヤ姫を早速探さないと……」
「おうおう……こういう時こそおマル様」
「嗚呼……元気になられたようじゃ。オマル様、依頼が舞い込んでおります」
「んもう💢僕はオーロラとのデートが有るから、仕事は後回しだ。にゃんにゃん💢」
「だが、妖怪銀行には、お金がスッカラカンなんじゃないですか?生活が出来ないんじゃないですか?先立つものは金!📀金!📀金!📀」
「あっ!そうだ。フン!分かったにゃん。オーロラチョットだけ待ってておくれ」
おマル様は仕方なく神棚の横にある定位置、雲のクッションの上に乗っかった。
今度はエリック博士が、お賽銭箱の前に立って賽銭箱にお賽銭を入れ、二拝二拍手一拝の作法をした。
チャリン📀🪙💰 チャリン📀🪙💰
あれだけ、のろまなおマル様が一瞬で銭📀を捉えたと、その時、瞬殺で金貨目掛けて手が伸びた。
オーロラに捨てられたあの日々。あんな苦しい思いだけは二度としたくない。金使いの荒いオーロラを繋ぎ止める為の手段が、金!📀金!📀金!📀。ずんぐりむっくりのおマル様に惹きつけておく何が有ろうか、只々ま~るい銭📀銭📀銭📀それしかない。こうして…金貨を懐に納めほくそ笑んだ。
全くニセ物のオーロラとも知らずに先が思いやられる。
「おマル様ダウリー王国のアーリヤ王女は生きておいででしょうか?」
するとオマル様が首を縦にお振りになった。
「オオオオオオ!それは有り難い!生存しているという事だ。それでは……犯人の居場所はどこでしょうか?」
するとおマル様が言った。
「直ぐ近くにいる。それも……この妖獣村に手掛かりとなる者がいるにゃん」
「そう言う事ですか?オオありがたや……ありがたや」
おマル様を拝み倒している。
「さあオ-ロラ出掛けよう。やっぱり噓じゃ無かったんだね?僕との結婚だけど……こうなったら一日も早く進めないとにゃん」
★☆
ニセのオ-ロラの化けの皮が剝がれるのは時間の問題だが、もう一人のオ-ロラ、騙すだけ騙して金をぼったくりとんずらしたオーロラは一体何者だったのか?
徐々にオーロラのとんでもない正体が分かって来る。
ドラキュラ伯爵とおマル様が空中遊泳していた時に空から見た人物、あの時オーロラは、ハーネスに繋がれて金持ち風の紳士と歩いていた。
実は…アーリヤ王女と黄金の鳥を奪った犯人と、この金持ち風の紳士には接点がある。この男が重要なカギを握っている。って事は美猫オーロラもこの事件に関わりがあるって事?
それにはまず金持ち風の紳士とオーロラを探さなくてはいけない。どこにいるのか?
そして…この妖獣村にはどんな秘密が隠されているのか?
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