第22話 装備の話
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お知らせ、最下部にあり。
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取り敢えずナイフは、良さげなものがあったので一本10万円のものを2本買うことにした。
ちなみに今回の予算はポッキリ100万。
この一週間毎日5時間の冒険で稼いだ金額が45万、元々あった貯金から55万。
ちなみにこれでもう貯金は結構大変なことになるので、全部使ってしまったらまた一週間ほどは稼いでおかないといけない。
冒険をしていると言っても俺は格上相手の写身での死闘など稼げないことをやっているので毎日収入があるわけではないため、生活のために先に稼いでおかなければならないのである。
ナイフが終わったら次は斧だ。
がしかし。
「斧……いるか? いやでも、実際使ったしな」
あると安心はするのだが、実際に斧がいるのかどうか。
そりゃあ武器はあればあるほど良い。
使いたいタイミングで使いたい武器が使えるというのは理想的な状態だ。
だが多過ぎてもだめだ。
荷物になるし下手に手数が多くても器用貧乏になりかねない。
適切な数の武器を持つのが理想である。
そう考えると、まずメイン武器となる剣とサポートのバックラーは必須となる。
では今俺が使っているナイフや斧の役割は何かというと、どちらも予備の武器であり戦闘を組み立てるための投擲武器であり、剣を失ったときの奥の手だ。
そう考えると役割が被っているのである。
もちろんナイフの方が取り回しが早く、斧の方が硬いものを砕きやすいなど武器としての特性はあるが、役割が近い以上はどうするのが一番か考える必要がある。
今の通りにナイフ二振りと斧1つを持つか、ナイフに絞って数を増やすか。
少し考えて、やっぱり今まで通り両方持っておくことにした。
理由はいくつかあるが、まずナイフは完全に敵にトドメを刺す刃として以上の使い方が出来ない一方で、斧は場合によってはバックラーと組み合わせて戦闘を組み立てられる点。
次にナイフと斧の使い道の差は大きく、また今のとこ斧もナイフも戦闘の邪魔になったことがないので、敢えて使うのをやめる必要がないというのもある。
取り敢えずもうしばらくこの武器のスタイルで続けて、その後改めて判断したいと思う。
ということで、斧も15万ほどのものを購入した。
斧はナイフや剣と比べて数が少なかったが、流石に大きなギルドのショップ故か、斧や、他にも鉈みたいな武器もあったりした。
実を言うと斧と鉈どっちにするかはちょっと悩んだ。
俺は元々森で仕事していたので、斧や鉈などそこで使う道具というのは、なんというか、あるものを武器にして戦っている感があってすごく好きだ。
西洋ファンタジーチックな直剣よりも、鉈みたいな武器の方が現実味があって、だからこそ燃える。
結局直剣をメインウェポンに据えるので鉈は今回はやめておいた。
剣とバックラーも持って、ショップ内のカウンターへと向かう。
「これお願いします」
「武器の購入ですね。ステータスカードの提示をお願いします」
「これで大丈夫ですか?」
ポケットから許可証を取り出す。
なんか紐ついてるけど、これなんなんだろ。
「許可証ですね。そちら首からさげられるようになっておりますので、提示する場合以外でも外に出しておくようにしてくださいね」
「あ、了解です」
なるほど、確かに良く役所の人とかが首からぶら下げてるやつか。
今更だが首から許可証をぶら下げておく。
「この武器全部他のギルドの方に送ってもらいたいんですけど、どうしたら良いですか?」
「他支部への配送ですね。配送についてはこちらの用紙に記入をお願いします。配送料をいただくことになりますのでご理解ください」
「わかりました」
用紙を受け取って記入していく。
俺の冒険者証にある登録番号や連絡先、そして配送先のギルド。
ギルドの固有番号とかわからんと思ったが、顔を上げたところで察していたショップ店員さんがすっと支部ごとの対応番号表の冊子を渡してくれた。
ありがとうございます。
その後用紙を提出して、武器の購入と配送料の支払いをすませる。
ちなみに俺は現金払いだけかと思ってがカバンの中に札束を持ってきたが、クレジットカードなんかでも支払いが出来るらしい。
またサイトで手続きをする必要はあるが、冒険者証とクレジットカードを紐付けることも出来るとか。
あれやこれやを快適にできるようにギルドも頑張ってるんだなと感じた。
配送は梱包から全てショップでしてくれるそうなので、後は任せることにした。
仕事としてやってくれるのは申し訳なく思うこと自体が失礼だ。
取り敢えず今日の用事はすんだけど、まだ時間はあるしせっかくだから一般人も入れる方のショップも見ていくことにする。
普段小さなギルドにいるから大きなギルドがどんなものなのか見学しておきたかったのもある。
冒険者専用エリアの方もそれなりに人がいたが、それ以上にこっちのエリアには人が多い。
見る限りでは、冒険者だけでなく一般人も数多くいるようだ。
探索者として感覚が鋭くなったのか、ある程度探索者とそうでない人がわかるようになってきた。
まだ探索者の強さなんかはあんまりわからないが、それでも強い人だと感じることもある。
あっちの中学生ぐらいの子達は、冒険者に憧れる子どもたちって感じかな?
ちょっと騒がしいが、「俺は魔法」「俺は剣士」なんて声を上げている。
最近だと一部ではあるが強い冒険者がテレビや動画サイトで顔を出したりすることもあるから、子どもたちの憧れになっているのだろう。
プロスポーツ選手に憧れるように冒険者に憧れる。
今はそんな時代なのだ。
ちなみにガチで稼いだときの収入はプロスポーツ選手の方が大きい。
ランダム要素が強いドロップアイテムで稼ぐ冒険者より、スポンサーから莫大な収入が入るスポーツ選手の方がまだまだ金は稼げるのだ。
一般向けのエリアで特に気になるのは、リュックやウエストポーチを始めとした備品だ。
後は冒険用の動きやすい衣服類。
鎧なんかは今のところつけるつもりが無いのであんまり見る気はない。
いずれは自分で入手した強いモンスターの毛皮で扱いやすい革鎧とか作ってもらいたいなとは思っているが、それはある程度冒険に本腰を入れてからの話だ。
今はまだ鍛える段階にあるし、俺がモンスター相手に技術を鍛えるのは写身を使う場合がほとんどなので鎧は必要ない。
「リュックねえ……やっぱ買い替えるか」
今のところ使っているリュックサックは、サイズは大きいものの安物で、そもそも形がかっちりしていないタイプのリュックサックだ。
そのためものを詰める時に柔軟に形が変わるのは良いが、リュックがしっかりとした形を保たないので中で荷物がぐちゃぐちゃになっていたりもする。
フロンティアで使うのにはどうかという話だが、フロンティアで得られるアイテムは様々だが、中には瓶に入った粉末や液体等もあるらしく、ある程度安全に運べる方が良いと思う。
ついでに言えば、かっちりしたリュックの方が背負ったまま走っても背中で跳ねない気がする。
ここのショップに並んでいるのは、有名なアウトドアメーカーの頑丈なリュックサックやおそらくは軍などでも使われるであろうミリタリーバックパックなど様々だ。
一通り見て回ったが残念ながらこれと言ってしっくり来るものが無かったので今日買うのは諦めたが、またインターネットなどでも良いものが無いか探してみようと思う。
その後も小物を持ち運ぶウエストポーチや野営セットなどを一通り見て、結局何も買わずにショップを出た。
金欠だし今すぐ欲しいものが無かったのだ。
武器と違ってこっちは長い付き合いになりそうだし、しっかりと選びたいのだ。
武器を買いに来ただけのつもりだが、大きなギルドやショップを見て、小さなギルドでは得られない多くの知見を得たと思う。
今後の冒険者としての活動を考えると、定期的に見に来るのも悪くないかもしれない。
まあ取り敢えずそれもこれも、もっと強くなってしっかり金を稼いでからだな。
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本作は現在、カクヨム及びアルファポリスに掲載していますが、アルファポリスでのポイントが溜まり次第、書籍化申請をしてみようと思います。
アルファポリス様では書籍化に際して他サイト含め、その本になっている連載部分の削除が義務となっています。
そのため、場合によっては本作が書籍化され、代わりにカクヨムから消滅する可能性もありますが、その場合は平にお許しください。
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