第2章・~終幕~
ルイとメクリイさんと別れたエルは天界でバカにされていた事を思い出しながら歩いていました。
右の片羽は普通に動くけど、左の片羽は今だに丸まったまま。
一度でいい、どんな形でも自由に空を飛んでみたい、そう思いながらトボトボ歩いていると、ある事に気が付きます。
「なんだろう?何かが、聞こえる?」
エルが、音のする法へ歩いていくと、そこには鳥が横たわっていました。
「どうしたの?鳥さん?」
よく見ると、羽を怪我しています。
「大変だ!はやく何とかしなきゃ!」
エルは小さな鳥を優しく抱えあげ、ルイの家に走りだしました。
「ルイ!大変なんだ!!薬箱を貸して欲しいんだ!」
ルイは慌てたエルを見て、急いで薬箱を手渡します。
『傷ついたハチドリさんだね、今、水も持ってくるよ。』
エルは急いで、手当てをします。ルイにもらった水を飲ませながら、
「鳥さん、頑張って!僕は鳥さん見たいに空は飛べないけれど、頑張るから、鳥さんも頑張って!!」
エルは泣きべそを、かきながら一生懸命に看病をします。
やがて夜も更け、エルは、遅くまで看病していつしか眠ってしまいました。
そして夜は開け、朝を迎えます。
「エルさん…、エルさん…」
エルはふと目をさまし見上げました。
「あっ!鳥さん元気になったんだね、本当に良かった!!」
「うん、エルさんが手当てしてくれて、励まし続けてくれたからもう大丈夫だよ!本当にありがとう!」
「ハチドリさん本当に元気になってよかった。」
エルは立ち上がり部屋の窓まで行き、開け放ちました。
朝の暖かい光が部屋の中に満ちていきます。
「さぁ、ハチドリさん、みんながきっと心配しているよ。」
「うん、エルさん助けてくれて本当にありがとう。エルさんの事は忘れません。仲間にも話してあげたいと思います!」
ハチドリは一度、羽を大きく羽ばたかせると、大空へ飛び立ちました。
エルは見えなくなるまで見上げていました。
『エル、おはよう。良かった、ハチドリさんは大丈夫だったみたいだね。』
「ルイ!おはよう。薬箱ありがとう。僕、なんだか自分を見てる見たいでほっておけ無かったんだ。」
『エルはとても、優しいんだね。僕の事を凄いって言ってくれたけど、僕からすればエルだってとても、素晴らしいよ、自信を持ちなよ。』
「うん…ありがとう…。」
『エルはこれからどうするんだい?』
「想いの実る岬に行くんだ。片羽を治す為に。」
『岬に?そうか、じゃ旅を続けなきゃね。町のはずれまで案内するよ。』
ルイの家を後にし、町のはずれに向かう途中、歯車の広場へさしかかると、
「おっ!小さな天使は町を出るのかい?」
メクリイが声をかけて来ました。
「エル、頑張りなよ。俺はお前の事を行く先々の町で自慢するよ。優しい天使にあったってな!」
「ありがとうメクリイさん、えっと後ろのポズインさんも、サヨナラ。」
メクリイの後ろでポズインが歯車を磨いています。
「元気になボウズ」
「ほら、ポズイン綺麗に磨くんだ!物大切さが分かるまで。」
エルは苦笑いを浮かべ
「行ってきます、メクリイさん、ポズインさん。」
しばらくすると、町の外れにたどり着きました。
『エル、ここでお別れだね。色々と楽しかったよ。ずっと友達出いよう!そうだ、君に渡したい物があるんだ!』
ルイは小さなクローバーをエルに差し出しました。
『この機械の町に唯一咲く花さ、四つ葉のクローバーは君にきっと強さと幸せを運んでくれる、僕たちの友達の証さ!』
朝日に輝く、少し不思議なクローバーを手に
「ルイ、本当にありがとう、お守りに大切にするよ。」
「僕は本当にルイに出逢えて良かった、物の大切さ、優しさや、強さ、色々教えてくれてありがとう。ずっと友達だよ!」
『エル、僕はきっかけでしかないんだよ。優しい心も、強さも、エルが持っているものさ。その事に気がつけただけだよ。』
『片羽だからダメなんじゃない。エルになら本当の自分を、見つける事が出来るよ、もう片方の羽もね。』
「うん、どこまで行けるか分からないけど頑張るよルイ!ありがとう」
『さぁ。この道を行けば、導きの森につけるよ、そこを越えれば、想いの実る岬はもうすぐそこだよ。導きの森はとても綺麗な森で、不思議な力の心の泉があるんだ。一度、休んで行くといいよ。』
「うん、ルイも修理頑張ってね!じゃぁ、行ってくるよ。さようならルイ!」
『気をつけてね、エル。』
エルはルイや町が見えなくなるまで、手を振り続けました。
胸に四つ葉のクローバーを握り締めながら…。
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