迎えた朝
普段とは違う身体の倦怠感にちょっとした不快感を抱きつつも、懐かしい人肌を感じてそれを逃がさぬように包み込んだ。そのぬくもりはとても優しかった。秀斗を包み込んで離さないように、それでいて安心感を与えてくれるような。そうしているうちに秀斗の意識は幾度となく浮上したり眠ったりを繰り返して、やっと目を開けれるまでに意識が覚醒し、目を開けるとそこには、自分の胸元に頭をうずめて秀斗の腕の中に包まっている藤崎先輩の姿があった。互いに全裸だった、
「(あっ、これ事後だ」
そんな衝撃的な状況の中、混乱している秀斗の気配(?)を察したのだろう。藤崎先輩がぼやぁっと目を覚ました。
「んぁ...あぁ、起きた?」
「はい、今起きました...」
眠気と戦いながらもゆったり起きてくる藤崎先輩は上目遣いで秀斗の顔を見たり、首筋に顔をくっつけたりと、いわばマーキングをしている様子だった。そんな可愛らしい先輩から一言。
「あ、大丈夫。避○はしたいよぉ。(付けてないけどねぇ...)」
「あっ...」
確定した。ちゃんと事後であることが。ただ自然と違和感は無かった。なぜなら藤崎先輩とは入学式から殆ど一緒の時を過ごしていたからだ。それに藤崎先輩はとてつもなく綺麗で、性格の方も合っている。いずれこういう関係になるんだろうなとなんなく考えもした。しかし、どうしても聞きたいことがあった。どうして二年以上喫茶店の外から見ていたか、秀斗の過去をどこまで知っているのか。それに何故昨日あの路地裏にいたのか。
ただまぁ、藤崎先輩との仲を進めるにあたって神は秀斗の祈りを叶えてはくれなかった。そこだけが気に食わなかった。
「(二度と祈らんからな)」
「さてさてっ!、なにか聞きたいことがあるんでしょ?」
「えっ、そうして?」
「それはねぇ、顔に書いてあったからっ!!」
自信満々に指をビシッとする藤崎先輩に可愛さを覚えながらもそんなにわかりやすい顔をしているのかと不安になった。
「大丈夫だよ!たぶん、他の人からしたらそんなわかんないと思うし。私だけっかな?伊達に長く見てないからね、君をっ」
そう恥ずかしげもなく、秀斗の鼻をツンっっとする藤崎先輩。
「じゃあ、聞いてもいいですか?どうして、いつも喫茶店の外から見ていたんですか?」
「んーそれは...」
「...」
「この話は長くなっちゃうから、一旦お風呂を済ませてからにしようか。」
「...そう、しましょう。ちょっと汗流したいですし」
「じゃあ、もうちょっとくっつこっ!!」
「おぉっと、、、ちょっと先輩...」
「みさきでいいよ、いつまで苗字呼びーっ?」
「んっ...みさき、さん...」
「いつかはっ!さんを!とってねっ!!」
といつものように秀斗の鼻を指でちょんとしながら、互いの気持ちが落ち着くまで(美咲先輩が満足するまで色々)布団でのんびりと過ごした。
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ちなみに、秀斗は、お風呂の鏡を見たときに美咲先輩の凄さを実感した、
鏡越しに映る秀斗の身体についていた美咲先輩の痕跡の多さに、ちょっとした満足感と愛情の深さ(?)を感じた
「これ...当分消えないなぁ」
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完結はしていないです。これから、秀斗、美咲 の過去編に移ります。
拙い文章ですが、気楽に読んでくださると幸いです。
「あなた」だけは、忘れない。 佐藤恩 @Sat0o4o4
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