第6話  恐怖のダイニング。

 僕の家のお向かいさんと、隣の家は日本人の家族が住んでいた。自然と、親同士、家族同士、親しくなる。向かいの家には、僕の1つ年上と1つ年下の兄弟、隣は僕よりも1つ年上の男の子。この4人で遊ぶことが多かった。僕は、この3人と遊ぶのは嫌だった。1人で絵を描いたり本を読む方が良かった。親同士の付き合いで、無理に遊ばされていた。


 或る日、僕以外のみんなが僕から逃げるという遊びを始めた。鬱陶しかった。こんな遊びに付き合うくらいなら家に帰って絵でも描こう。


 と、思ったら、僕の靴が奪われていた。3人は、僕の靴を持って僕をからかう。僕を帰そうとしない。僕は、そこでキレた。


「そんなに遊んでほしいんやったら、遊んだるわ!」


 僕は本気を出した。ダッシュで突進して、ヘッドスライディング。僕は3人の内の1人の足首を掴んで、思いっきりひっくり返した。ダイニングの床はタイル。頭をタイルに打ち付けた男の子は号泣した。隣近所まで聞こえるくらいの号泣だった。


 僕は、靴をひったくると、靴を履いてその家を後にした。帰ると、僕の家まで泣き声が聞こえていた。僕の両親が、家から出て来ていた。


「なんかあったんか?」


と、聞かれたが、


「何も無い」


と答え、それ以降、向かいや隣の男の子達とは遊ばなくなった。







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