第4話

「これはまぁ、あまり話せないんだけどね…

すごい昔、闘いがあったんだよ。


それこそ血で血を流すような


五体満足があり得ないような


そんな戦争。


その中で

ある者達は″邪龍″を召喚し

ある者達は″天使″を召喚し


争いあった


地面が抉れても空が割れても


街が無くなっても国が滅んでも


仕える先が無くなっても


戦い続けた


あとはその二種族の争い。


地は焼かれ海は穢され空は赤く染まったらしいけどあんまり実感わかなかった。


その末に弱りきったけどお互いに呆れるくらい長い寿命の私達は様子を見合うぐらいの関係になったはずだったんだけどついこないだ…


ってね」


シロは呆れたように話すと横に座るように催促してきた。

それに従って横に座ると太腿の上に頭を預けてきた。

そう、膝枕だ。

ベタベタと甘えてくるシロは年相応の女の子みたいで若干の罪悪感と母性というか父性というかそんなのが刺激される。

ほのぼのとシロの頭を撫でているとあることを思い出した。


「そういえば契約って」


「あぁ、あれね、あれは…まぁうん…」


「コーラ買って来なくていいのな」


「それは反則だぞ、ご主人よ」


「じゃあ話せ」


「えぇ……うーん…

ざっくりでいいなら…」


「いいよ、ざっくりで」


「契約っていうのは″命と命の紐″で

私 ドラゴン めっちゃ魔力消費激しい

魔力 無くなる 契約者 お亡くなり

ってな訳でご主人は死んでたかもしれないってだけ」


「えぇ…」


ざっくりとか言うより雑。

けどなんとなく意味は分かった。

ついでに黒い奴が止めてきたことも。


ちなみに俺の魔力量ってど


「のぐらい?でしょ

ざっとそこら辺の人の20倍くらい?かな」


忘れてた。

こいつ心読めるんだった。

それはそれとして20倍か…


「簡単に例えるとざっと普通の人がちょっと炎を出す魔法でちょっとした村ならボンッだね」


「なにそれっ怖っ」


「そうそう、こっちの時代でも貴重ですもの」


唐突に会話に混じるオカマのような低音。


「お前は…色欲の獣!」


「知り合い?」


「そうだね。

昔殺し合った仲なんだ」


獣の手には既にはレイピアと呼ばれる武器だろう。

鋭い剣が握られていた。


「毒しなさい「ムシュフシュ」」


そう呟くと辺りが紫色の煙に包まれていく。


「ご主人これマズいよ相当ね」


「対策方とかって」


「なくはない」


ニヤリと口元に微笑を浮かべたシロにはちゃんと対策方があるようだった。

手元にはちょっとずつゲームの転送みたいに

盾と剣が出現した。

剣を盾に収納して叫んだ。


「護れ!「ニーズヘッグ」!!」


その時、オレンジ色のバリアが盾から円上に

まるで包むように出現した。


「あら」


驚いたようにレイピアをしまう獣は一言。


「それじゃあつまらないわ」


そういって飛び降りた。

当たり前のようにだれもいない。

夜の闇が広がっていた。


「「はぁ」」


二人して今日あったことに溜息をついた。

天使が来たり仲間(?)が来たり


「「疲れたぁ」」


揃った事を二人で鼻で笑って眠るように気絶した。

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お昼寝は厄災の獣と一緒に 某凡人 @0729kinoko

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