第3話 ″戦争″
闘いから一夜明けての会社終わり。
ホテルの一室に帰るとベッドでゴロゴロしてながら片手にコーラ、片手にスマホのスタイルでいる白髪の女の子。
ついでに太い尻尾も生えている。
ネクタイを外しながら質問した。
「そういえば名前は?」
「無いよ。あえて言うなら″怠惰の獣″かな…それくらいしかまともに呼べるようなのが無いし…」
夢や幻の類いじゃない。
少なくとも現にコーラのお代わりを要求してくる位には。
「コーラのお代わりない?」
しかも名前がない。
…悩むことがありすぎる。
「聞こえてる?」
「これで買って来なさい」
財布を開いて200円を渡す。
「これをどうやって使うの?」
「確かあっち側に自販機…
鉄の箱があったでしょ?あれに専用のコインを入れる場所があるからそれから…」
「なんだ、それだけでいいんだ。」
?
よく見ると200円が400円になっている。
??
「どゆこと??」
「怠惰の龍の権能ってところかな」
???
「全く分かってないのホントご主人って感じ
要約するとコインとか宝石をコピーしたりとかが出来るってだけ」
そういって鼻歌を歌いながらドアを開けて買いに行ったと同時だった。
背後のガラス窓が勢い良く割れた。
「やっと見つけたぞ」
昨日の黒い奴がそこには
片手には″例の槍″が握られている。
握られているよりかは既に放たれていた。
槍投げの槍が飛んでくる妄想はしたことあるけどこんな気分なんだと走馬灯が
もう覚悟は決めていた。
その覚悟を無駄にするかの如く
ドゴォン
とアニメとかでしか聞いたことの無い音が目の前から聞こえた。
「ご主人、無事だね」
そこにはいつも通りの白髪の小さい背中があった。
前の剣と身の丈に合わないほどの盾を持っていた。
目の前の
「もう馴染んだか…早いな」
「ご主人とは相性があり得ないくらい良いからね」
ウザっと呟きながらの追撃が飛んでくる。
原理不明の投げた後急旋回して手元に戻る槍。
それも盾で受け流しながら少しずつ、けど着実に距離を詰めていく。
あと一歩で…
「馴染む前に潰したかったよ」
そう言いながら窓から逃げていった。
逃げていった瞬間に白い女の子は駆け寄ってきた。
「ごしゅ、無事?」
「あぁ、大丈夫問題ない」
そう返すと微笑みかけてくれた。
「シロ」
「わたし?」
「そう、今度からそっちの方が呼びやすいかなって
色々、君についても聞かせて」
「いいよ」
名前を付けて貰ったことについて随分と機嫌が良いみたいだ。
シロがベッドに腰を掛けてゆっくりと語り始めた話。
それは遥か昔から続く
″邪龍と天使の長い戦争の話。
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