第3話 異なる時間の概念

 現在、地球人が使用している時間は、セシウム133原子の共鳴周波数を正確な1秒とした原子時計を利用し、さらに地球が平均24時間で1回転したことを1太陽日としたうえで、地球自転速度と太陽日の間で生じてしまうズレを数年に1度「うるう秒」を入れて調整することで世界共通の標準時間を設けているようです。

 ところが、人間と住む世界や次元が異なる場合、当然、時間の概念そのものが違うため、時間的な感覚は人間のものとは全く違ったものになってしまいます。

 神々は、どこかの国と同じように決められた年齢に達したら軍隊に入っていつでも戦争に参加出来るよう“鍛錬”しなくてはならないのと同じように、修行の一環として“修練”をさせられます。それは一例として…人間界に人間として生まれ、貧富に関係なくただの人間として人生(生から死)を経験すること。ただし、人間世界での修練の1年は神の世界の1日でしかないのです。厳しいとしか言いようありません。

 神々が住まう世界の1日は人間世界の143年間にあたります。全くイメージ出来ません。根本的なキャパシティがかけ離れているのです。神々の世界でのお互いの会話は人間の話す100Hz~1KHzの周波数とは比較にならない、70KHz以上の超高周波ですので人間の耳には全く聞こえませんが、聞こえたところで何を話しているのかさっぱり分からないでしょう。別な言い方をするならAという人間がBという人間に対して1日で143年分の日常会話をする速さでしょうか…

 神仙と呼ばれる方々は修行を生業としているところもあるせいか、500年とか1000年とか普通に修業期間が出てきますが、それは人間の文献の中だけの話で、ご本人たちは修行期間を「季(き)」で表します。人間の世界でいう1000年修行した場合を一季(いちき)と呼んでいます。人間には考えられない修行期間です。

 人間が死後向かう冥途の世界の1時間は人間世界の15時間にあたります。人間は魂になってもしばらくは身体の感覚がまとわりついています。審判が待つ冥途の入口まで続く長く暗い道、疲れこそ感じませんが、ただひたすら歩き続けている感覚はあるといいます。審判を受けた後、何処へいくことになろうと初めの頃は二日が1ヶ月の長さに感じますが、時間の経過とともに時間の感覚は薄れ、自分が誰であったのかさえ忘れてしまいます。

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