第7話 休み時間 小学校低学年 その1
小学校低学年。それはわたしが人と違うことを意識してなかった最後の時期。
多くの子どもたちにとって休み時間とは友達と遊ぶものだったと思う。
わたしにとっては自由に過ごす時間なのである日は外はものすごく天気がよかったのに教室で本を読んでいた。
全く気付かなかったけれどその日教室にいたのはわたしともう一人の子しかいなかった。
担任の先生はそれを心配したようだった。
「どうして外で遊ばないの?」
もう一人の子が答えた。
「今日は風邪気味だから静かにしてようねってお母さんに言われた」
続いてわたしも答えた。
「今日は外で遊ぶより本が読みたいと思った」
「ああ、そうなんだ」
先生は納得したようだった。
ASDには想像力がないから本を読んでその光景を思い浮かべるのが苦手な人もいると聞いたことはあるのだがわたしは本が好きでそのお陰で漢字を読めるようになるのも早く、小学校2年生の頃には少し難しい小説が読め、3年生の頃には新聞を読んでいた。
多分この今となっては何の訳にも立たない能力がわたしの唯一の特技だったらしい。
他にも一人で遊具にずっと座ってたり、校舎裏で変なキノコやシロアリを見つけて眺めていたりと残念ながら誰かと遊んでいた記憶がほとんどない。
ただ、それが楽しくて寂しいと感じることもなかった。
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