第6話 言葉の教室 幼少期のこと その5

前の話でも少し触れたがわたしには発音ができていない音があった。

それが「つ」と「ら」。

どうやら「ちゅ」と「だ」になっていたらしいが自分では全く自覚がなかった。

心配した母がどうやって探してきたのか週に1回保育園を早退して言葉の教室に通うことになった。

もちろんここでも他の子に言葉の練習に行くことをわたしは盛大に自慢していた。自分の言葉の遅れを自慢しているようなもので今となってはバカすぎる自分が恥ずかしい。


そこでは先生とわたしが1対1で練習する形式をとっていた。


すごいなと思ったのがひたすら正しい発音を聞かせて練習させるというわけではなく、紙の教材を使って字やイラストを見せたりときには書いたりして視覚にも訴えかける方法をとっていた。

わたしはASDに多い視覚優位型なのでこの方法が見事にはまった。

この当時まだ発達障害という言葉はなかったはずなのに視覚から訴えかける方法が既にあったということは興味深い。

本当はこの頃から療育なども確立されていたらどれだけよかったかと今でも思う。

(ただわたしの両親はわたしに障害があることを絶対に認めないのであったとしてもわたしは通わせてもらえなかっただろうけど。←この辺のこともいつか書きたい)


そして通うこと数ヶ月、まずは自分の発音が間違っていること、 正しい発音をするためには舌の動かし方などに工夫がいることなどを学び、練習の末、わたしは正しい発音を身に付けることができた。しばらくの間は「つ」の発音はちょっと自信がなかったので慎重になっていたのはなんとなく覚えている。

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