第129話 肩が・・・

 これは、たった今、私が体験したお話です。

 本来、129話目のお話は、全く別の内容のものでした。

 とある神社で、息子が体験した不思議なお話を書こうとしたのですが・・・。

 書けなくなったんです。

 いつもの様に、参拝迄の背景とか状況とかを描写しつつ書き綴っていたんですね。

 また、場所が特定されない様に、特徴的な所はあえて書かない様にしたり、表現をぼやかしたりしていました。

 特に、今回の場合は。

 参拝に至るストーリーを書き終え、いざクライマックスといったその時でした。

 右肩が上がらなくなったんです。

 ずん、と、肩を押さえつけられるような感覚と共に鈍痛が走り、筋肉が硬直しはじめると、それは腕や指先にも派生して、パソコンのキーが全く叩けなくなったんです。 

 普段、仕事でも勤務時間のほとんどをパソコンと対峙して過ごしているのですが、肩こりなんてなった事は全くないんです。

 金縛り、でもない。

 動かないのは右肩から右手指先まで。

 最近、仕事が忙しく、残業と休日出勤が続いていたから、その疲れが出たのか・・・。

 それとも、もっとヤバい脳の病気!?

 いや、違う。

 たぶん、これだ。

 私はパソコンのスクリーンに目を向けました。

 この文章のせいかも。

 何となく、そう思ったんです。これ、書いてはいけないやつなんだと。

 私は、かろうじて自由の利く左手の指を使って慌ててタイトルと文章を削除しました。

 直後、それは確信へと変わりました。

 右肩の鈍痛が嘘のように消えたんです。

 どうやら、やっぱり文字に起こしたちゃいけないお話だったようです。

 何となくそう思った理由――それは、ちょうど私が文章を書き綴っているテーブルの右側の棚の上に、その神社で授与して頂いた御札が祀ってあるんです。

 神様からの警告。

 私は、そう捉えました。

 書いていた内容が、実は掲載するかどうか迷っていたものでした。あんまり詳しく触れると宜しくなさそうですので、この程度に留めておきます。

 ですから、今回の展開は、正直のところ成程なって感じでしたね。

 最初、息子も掲載はやめておいた方がいいかもと助言をしてくれていた、ある意味『いわくつき』物件だったのです。

 今、書いているこの文章も、神々の検閲すれすれかもしれません。

 


 

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る