第85話 ここはちょっと・・・

 私は神社仏閣をはじめとするパワースポットを巡るのが好きなのですが、中にはどうしても合わない場所があったりします。

 私の知っている方で、関東の某有名な神社には行けないと話してくれた方がいます。何でも、行けは家が火事になるそうです。

 その方は霊感が強く、霊を見たり出来る方ですので、何かあるのかとは思うのですが、詳しくは聞いていませんので今だに不明です。

 と言うより、聞くのが禁忌ではないかと何となく感じたものですから、今まで聞かずのままです。

 このようなお話は、その方や私に限らず、スピリチュアル系の掲示板なんかに同じような事を書き込む方がおられます。

 とある神社には行けば体調が悪くなったりするとか、行こうと思ってもどうしても予定が付かず、ずっと行けないでいるとか。

 私の場合、某神社に行くと、倦怠感に襲われて全身に力が入らなくなります。

 倒れるまでにはならないのですが、かったるい感じ。

 おまけに気分を取り直しておみくじを引けば、今まで引いた事の無い大凶を引き当ててしまう始末。

 それと不思議な事に、気の合う神社ですと、その大きさに関係無く荘厳な神気を感じ取ることが出来るのですが、某所においては少しも感じられないのです。

 ただ温かくは感じるのですが。

 何となくですが、あるべき神気が私に及ばぬよう、眼に見えぬ壁で遮断されている様な感覚にとらわれるのです。

 それでも歴史的に有名な場所ですと、つい何回か足を運んだりするのですが、大抵は早々の内に別の目的地へと移動します。

 多分、私の思い込みからそうなっているとは思うのですが・・・。

 実は、私の母は平家の末裔らしいのです。

 と言う事は、私も同じ血を引いている訳で・・・そう考えると、件の神社の御祭神とか、建立に関わった人物を調べてみると、何となく納得のいった答えが見えてきたりしました。

 ひょっとしたら、母から聞いた家系の話が暗示になってしまい、結果、私の意識に負の蟠りを吹き込んでいるだけなのかもしれません。

 でも、不思議な思い出が一つ。

 子供の頃、よく遊びに行く神社があり、二つの神社が一つの森の中で縦方向に隣接して建っているのですが、その一方の森の中にはよく出入りしていたものの、もう一方の神社には、ほとんど行かなかったのを覚えています。

 理由は特にありませんでした。

 ただ、何となく、です。

 そのもう一方と言うのが、今思い起こせば件の神社と同系列の神社だったんですよね。

 単なる私の思い過ごしなのでしょうか。

 そうだといいんですけど。


 

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る