第71話 洗髪のお手伝い
これは、昔勤務していた関東地方の某所にある事業所の従業員の方から聞いた話です。
決して怖い話ではなくて、むしろ不思議と言うか、微笑ましいというか・・・。
以前にも何話か紹介したことがあるんですが、ここには機械トラブル何かを前もって教えてくれる反面、何かと悪戯好きな霊が住んでいました。
従業員の方もその存在を認めており、この世のものとこの世のものとはならざるものとでのと共存が成り立っている、今思えば不思議な事業所でした。
こういう場所だからなのか、はたまた偶然なのか、女性従業員の中に霊感の強い方がおり、色々なお話を聞かせて頂きました。それは、私の体験も含めて以前に語らせて頂いています。
でもこの話は、また別の女性から聞いた話です。
この方も従業員なのですが、私がスピリチュアルな話やオカルト的なものが大好きだと聞いて、お話して下さったものです。
その日、彼女は夕食をとった後、一日の疲れを癒すべくお風呂に向かいました。
ゆっくり湯船に浸かってから、今度は椅子に腰かけて体を洗います。
シャンプーを頭髪にかけ、泡立てます。
そして、シャワー。
丹念に指で頭皮をほぐしながら、髪の毛の泡を洗い流します。
同時にその方は体をボディソープで洗い始めます・・・。
気付きました?
このお話、妙なシーンが書き込められているんです。
頭をがしがしと両手で洗っている最中に、体もごしごし両手で磨いているんです。
どう考えても、おかしいです。
因みにこの日、浴室には彼女一人しかいません。
彼女曰く、幽霊が洗髪を手伝ってくれるのだそうです。
どうやら、それもかなり前からしょっちゅうある様で、彼女にとっては日常茶飯事らしいです。
本人曰く、もう慣れたそうです。
この御方、結構毛量が多いので、洗髪時は大変らしく、助かっているとの事。
それに、頭を洗ってくれる方が誰だか分かっているようでした。教えてはもらえませんでしたが。
今、考えるとスピリチュアルなお話に事欠かない不思議な事業所でした。
因みにですが、内部改革で事業所の統合とか、どこの企業でも行われていると思うのですが、対象となる事業所を見ても、同じような規模でもこの事業所は何故か残っているんですよね。まあ、私の知り得ない、いろんな理由があるんでしょうけど。
でも何となく、不思議な力で守られているような気がするんです。
機会があれば、訪問したいのですが・・・。
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