第70話 金縛りの時って・・・
妻がベッドに横になり、眼を閉じた途端、それは起こりました。
体がぶるぶると震えるのです。
決して寒い訳でもないのに。
また、武者震いでもない。
その証拠に、体の震えは一瞬ではなく、今も続いている。
妻は気付いた。
妙な事に、夜にもかかわらず、視界が明るい。
確か、消灯して布団に潜り込んだはずなのに。
そうか、これは・・・。
妻は悟った。
これから我が身に起こることを。
全身の筋肉が極度の緊張に囚われ、硬く硬直する。
始まったのだ。
誰かが、自分の顔を覗き込んでいる。
飼っている猫ではない。
明らかに、人の気配。
これは、ヤバい奴の方だ・・・。
同じような文章を、別の話でも書いた事があります。
これは、妻が体験した金縛りの中でも、明らかにヤバい奴編で、今から数年前のお話になります。
妻の場合、体調が原因の金縛りだと、体は全く震えないそうです。それに、視界も明るくならないとか。これが霊的なものとなると、話が違います。
突然の身体の震えに始まり、明るい視界、そして何者かの気配・・・。
この話を妻から聞いた時、私は共感するものがありました。
ちょっと受け止め方は異なるのですが、私も同じような感じなんです。
私が今までに体験して来た金縛りにも二種類あり、はっきりとそれは睡眠障害から来るものと霊的なものに区分されます。
私の場合、前者は日々の睡眠不足や精神的なストレスによる睡眠の質の乱れによるもので、必ずと言っていい程、まず肩が締め付けられるように重くなり、やがて筋肉の硬直が全身に広がっていきます。
この時は、耳鳴りも何も無く、突然、脚の痺れに似た感覚に襲われます。目を開いても何も見えませんし、長くは続きません。
実は先日も、座椅子に座ったまま寝落ちしてこれになりました。すぐに解けましたが。
もう一つの霊的なものですと、必ず足からきます。何者かがのっかってくる感じだったり、痺れのようなものだったり。冷たい感覚だけが摺り上がってくる場合もあります。
其れと耳鳴りですが、こちらはあったりなかったり。
筋肉の硬直も足から始まり、やがて全身を網羅していきます。
この時、私は眼を開き、金縛りの原因が何であるか正体を見極めます。
霊的なものが原因の場合、
影だったり、もろそのままの姿だったり。
ここ数年は、金縛りも強引に解いて抵抗するようになりました。
あともう一つ。
急激に眠くなる事も。
これは起きている状態で金縛りになった時がそうでした。
幸い? にも、最近は後者の金縛りは体験しなくなりました。
あ、これは来るかなって身構えると起きなかったり。
話のネタ的には困るんですけどね。
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