第69話 何の光?

 これは、私と妻が同時に目撃したお話です。

 怪談ではなく、ちょっと不思議な話です。ですので、怖くはないかもです。

 その日、私が休日だったこともあって、昼間のうちに日課のウォ―キングをする事になりました。息子は都合がわるくて不参加と言う事で、私と妻二人で行く事に。

 二人で歩きながら、時折空を見上げます。

 何故かと言いますと、ひょっとしたらUFOが見れるかもしれないじゃないと言う期待を込めて、です。

 妻は、霊よりもむしろこちらの方に興味があるようです。

 ですが、残念ながら、この日は曇天。

 空は厚い雲に覆われており、飛行機ですら姿が確認できません。

 まあ、こればっかりは仕方が無い話です。

 それでも、夜はもっと天気も崩れると想像出来ましたので、ウォ―キングが出来る事だけでも良しとしました。

 仕事の事や取り留めのない話をしながらのウォ―キングも終盤に差し掛かった頃の事です。

 何気に見上げた空で、オレンジ色の光が一瞬瞬きました。

 私は目を凝らしました。

 明らかに、厚い雲の手前で光ったのです。はっきりとした光でしたから、間違いなく雲を透かして見えた訳ではなかったです。

 飛行機なら爆音? がしますし、ヘリならプロペラの駆動音がするでしょう。

 でも、そこには何も見えませんでした。

「今、何か光った! 」

「え、何処? 」

「あの辺で、オレンジ色の光が・・・」

 私は、ついさっき光を目撃した辺りを、指差して妻に説明しました。

 刹那。

 光ったんです。

 また、さっきと同じオレンジ色の光が。

「あれだよあれっ! 見た? 見たよね? 」

「見た! 見た! 光った! 」

「何あれ? 何あれ? 」

「分からん・・・UFO? 」

「かもよっ! かもよっ! 」

 二人して大興奮。

 何言ってるかわかんねーよって感じで、二人お祭り状態。

 ああだこうだ言いながらも、妻もこの大収穫に大喜びでした。

 家に帰ってからネットで色々と調べたんですが、結局、正体は特定できませんでした。

 よく飛行機が飛んでいるのを真後ろから見たら、火の玉みたいに見えますよね。

 よくそれをUFOと見間違えるんですが、それとも違いました。実際、私も見た事があるので違いは分かります。

 プラズマか、球電か――セット情報では、どれも違いました。球電も私は見た事があるんですが、全く別物でした。人工衛星とも違いますし、某国のミサイルでもなさそうです。

 ひょっとしたら、本物のUFOだったかもしれません。

 あれから、昼間出歩いた時も意識して空を見上げているのですが、生憎再会は出来ていないです。


 


 

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