第27話 神秘的な・・・

 これは、三年程前に私が体験したお話です。

 私は時折山登りをするのですが、千メートルに満たない比較的登りやすい山がメインです。

 それと、外せない条件がパワースポットっである事。

 この二つの条件みたしているのが筑波山と御岩山で、年に何回か訪れます。

 その日は、朝から筑波山に挑んでいました。

 登山道は大きく分けて三つのコースがあります。筑波山神社の拝殿に向かって左方向、ケーブルカーの線路沿いを進む御幸ヶ原コース。拝殿を右手に抜けて進む白雲橋コース。ロープウエイの駅から登るおたつ岩コースです。

 因みに、私がよく登るコースは白雲橋コースから入り、女体山、男体山を巡り、御幸ヶ原コースを通って下山するコースです。

 白雲橋コースは白蛇弁財天をはじめ、巨岩や奇岩の見どころが多々ある為、私の一番のお気に入りコースなのです。

 山に入る前に、最初に必ず行うルーティーンがあります。

 筑波山神社の本殿や他に境内に祀られている神社を一通りご挨拶してから登るようにしています。

 当然その日も神社でお参りを済ませた後、白雲橋コースを進みました。

 少し登った所に白蛇弁財天をお祀りした小さな御社があり、ここでご挨拶と最初の休憩。私が毎月お参りしている白蛇弁財天は街中にあるのですが、こちらは木々に囲まれた登山道の一角にあります。

 この御社は岩の土台の上に作られているのですが、この岩の隙間に、本物の白蛇が姿を見せる事があるそうです。

 以前に訪れた時、御社に卵をお供えしていたおばあさんが、他の女性の登山客にそう説明していました。どうやら、おばあさんは白蛇と出会えたらしいです。残念ながら、私はまだ出会えていません。

 一息ついた後、更に登山道を進んで行きます。

 最初はちょっときつい感じがする急傾斜の山道が続くのですが、半分ぐらい登った辺りから体が慣れてくるんでしょうか。それ以降は、平坦な部分もあるので、体も呼吸も楽になってきます。

 最後に鎖場を登りきると、女体山の頂上です。鎖場と言うのは、急傾斜の険しい道の為、岩に鎖が打ち付けてある所を言います。

 筑波女大神であらせられる伊弉冊尊をお祀りしている御社の横に抜け、頂上の岩場に出ますと、ぐっと視界が広がります。

 眼下に広がる木々の緑、遠くにきらきらときらめく太平洋、冬には富士山も拝めます。

 インスタ映えスポットですので、多くの人々が、その素晴らしい広大な風景を、カメラやスマホで写真や動画に納めています。

 私も夢中で眼下に広がる風景の写真と動画をスマホのカメラで撮りまくりました。

 その後、男体山にも赴き、筑波男大神であらせられる伊弉諾尊の御社にお参りしました。

 ここでも風景を写真と動画をカメラで撮り、休憩した後に御幸ヶ原コースを下って、再び筑波山神社の拝殿にまで戻ってきました。

 私の経験では、登山時よりも下山時の方が転倒の危険性があり、神経を使いますね。ついついハイペースになりがちなので。

 ここで最後のルーティーン。拝殿に無事山上迄辿り着き、下山出来た事を感謝し、お礼の言葉を述べます。

 その後は、下山時の緊張が解けたのとへろへろになって駐車場に向かい、帰路を目指しました。

 家に帰ってシャワーを浴び、一息入れた後、撮影した画像と動画をチェック。

 何だこれ・・・?

 動画の一つに、不思議な現象が写っていました。

 一本の半透明な柱が、地表から天空へと伸びているんです。

 何と表現すればよいでしょうか。まるで、濃厚な気が集束して柱上に伸びていると言えば良いか・・・。

 空は空で、その灰らの辺りが、時折きらきらと煌めいているのです。

 カメラのハレーション?

 でも、こんな風に地表から空へとまっすぐ伸びる様に映るものなのか?

 その柱が示す地表に何があるのか。

 その位置からして、恐らくは筑波山神社の拝殿がある辺りなんです。

 不思議だと思いませんか?

 例え、太陽の光がカメラに飛び込んで起きた悪戯だとしても。


 



 

 

 

 

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