第2話
私の本名は 桜庭 未愛(さくらば みあ)。
純粋そうな名前とは反して、根からの恋愛体質だ。自分の性と合わないこの名前は、正直あまり好きでは無い。
そういえば、昨日インストールした出会いアプリの登録名も本名とは離したんだっけ。
親にもらった名前も愛せない、どこまで親不孝な娘なんだろうと、少し自虐を覚えながら
今日もいつもの朝を迎える。穏やかで優雅なクラシックのアラーム音、もう聞き慣れてしまった鳥の囀りで目が覚める毎日。我ながらよく飽きないな、と今度は自賛する。
「みあー!おはよう!」
「…おはよ」
高校生活はあまり素敵なものではない。それなりに友達もいるし、環境にも恵まれているけれど、何か物足りない。やはり、男だろう。しかし、クラスにこれといった好みの男もいない。わがまますぎる自分の思考には流石に慣れてきた。だからアプリで適当な男を、物足りなさを埋めてくれる男を探したのに、、、、
「あーもうなんで!?!?なんで1件の通知も来ないの!?!?」
退屈な毎日に嫌気が差してしまいそうだ。
今日もまた1人で眠りにつく。その前に全てのアプリの通知を消す。いつものナイトルーティーンだ。変な時間に目が覚めるのだけは耐えられない。あのアプリの通知音も消そうとしたが、どうせ通知なんて来ないのに、と思ってしまい勝手に虚しくなった。
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