第8話 下校班その2 (小2〜小3)
下校時は、同じ地区の同じ学年の子たちで一緒に帰ることになっている。
そのため、いつも4人で帰っていた。(僕、たいくん、他2人)
1年後、他2人の内1人が転校してしまった。
帰る時に仲間外れにする訳にはいかないので、ちょっと疎ましかったが、3人で話しながら帰るようにした。
さらにその半年後、たいくんも転校してしまった。
そのため、2人で帰ることになった。
この子の名前はゆずくんという。
教室の廊下やグラウンドをよく転げ回るので服がいつも汚く、それでいて髪が長くて性格も見た目も女々しいやつだった。
正直、余り好きなタイプではなかった。
理由は2つ。
1つ目は、僕が潔癖症だったから。
服が砂まみれ、埃まみれなので余り近づきたくなかった。
2つ目は、髪が長いから。
これは彼が悪い訳ではないのだが、僕は髪を伸ばしたかったのに親に短くしろと言われて伸ばせなかったので、髪を伸ばしてるのがムカついた。
というわけで、毎日喧嘩していた。
僕が潔癖なのを知って汚れた手で触ってきたり、汚れた服で引っ付いてきたりするので、その度に投げ飛ばしたり、
どうせ元々服が汚いんだから、いまさら汚れたって関係ないだろとか言って廊下で引き釣り回したりしていた。
ゆずくんはよく泣いていたが、
それでも次の日には何事もなかったかのように話しかけてきて一緒に帰るので不思議な関係だった。
ゆずくんは毎回下校時に立ちションをするので、ズボンをずり下げたり、逆にずり上げたりして遊んでいた。ずり上げたときはビシャビシャになって泣き、流石に怒っていたが、次の日には何もなかったかのように話しかけてきて一緒に帰った。
余り好きではなかったが、なんだかんだで一緒に過ごした時間が長く、結構色々な思い出がある。
ちなみにゆずくんもサッカークラブに入っていた。
一緒に帰るようになってからは、サッカークラブで2人組を作る時に一緒に組むようになった。
でも、ゆずくんはしょっちゅうズル休みをするので、その度に僕が2人組で余ってしまうのがムカついた。
そんなこんなで、少しずつ不満が溜まっていき、小4から僕は一緒に帰るのをやめてしまった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます