第2話 ちびっこサッカー大会


[ちびっこサッカー大会]


各幼稚園や保育園対抗のちびっこサッカー大会というものがあった。

サッカー県ならではの催しだ。


テレビの午後のニュースなんかでもちょろっと取り上げられるくらいの大会で、テレビカメラも来るそうだ。



「今日もみんなで練習しましょう!」


大会に向け、大会の3ヶ月前くらいから皆んなで練習することになった。

先生の掛け声でみんなで一斉に校庭に走る。



僕はキーパーをやった。

幼稚園サッカーのサッカーゴールは小さく、守りやすそうだったからだ。

さらに、幼稚園レベルだと浮き玉は来ないだろうと予測し、意識を足元に集中させることでセーブ率を上げられるだろうと考えたからである。


正直僕より運動神経が良いやつは、ゆうくんやマイクくんをはじめたくさんいる。

その中で僕が活躍できそうなのがキーパーだと思ったのだ。


「いくぞ!えい!」


たくくんが僕に向かってシュートする。見事な浮き玉だ。僕の右横に飛んできたが、反応できず、ゴールネットを揺らす。


(浮き玉打てるんだ…やばい、全然止められないぞ…というか怖い…。)


「すげーな!たく!」


たくくんのシュートをりゅうくんが褒める。


キーパーの練習にはりゅうくんとたくくんが付き合ってくれた。PK形式である。

ちなみに、ゆうくんとマイクくんは2人でドリブルの練習をしていた。


「次は俺だ!」


バンッ 


りゅうくんがシュートを打ってくる。


ボールが浮かないゴロのシュートだ。


このシュートなら止められる!

なんとか反応して止めた。


「ナイスキー!」

「あー!止められた!」


こんな感じで毎日練習した。



本番当日。


相手がスローイングで直接ゴールを狙ってきたのを、僕が見事にキャッチして止めたところがテレビで流れ、母が喜んでいた。


合計3試合ほどやり、たくくんやマイクくんの活躍もあり、2勝1分と好成績だった。


基本的に攻めている時間が長く、僕(キーパー)の活躍の機会はあまりなかった。


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