第30話 はじめての

「みお・・・さん・・・」

「ん~~~もう!みおって呼んで!」

「みお・・・」

「そう、これからはそう呼ぶんだよw」


家へ帰ってからも、今日はこれでよかったのかと自問自答してみたり、

次にデートできるとすれば、どんな会話をしたらいいかとか、

着て行く服はどんなのが良いかとか、そんなことばかり考えてます。



「おはよう、ゆうと」

「みお、おはよう」

「そうそう、みおって言えるようになったじゃん」


あれっ?今日は金髪のロングウェーブヘアになってる・・・

「あっ?これ・・・ウィッグよ」

「あ、そ、そうなんだ」

日によってとか、気分によって変えているんだって。

もともと男子だし、その時は「ゆうとと同じくらいの長さだったのよ」だそうだ。


それも可愛いことには変わりないんだなぁ。

「ねぇ」

「えっ?」

「お昼いっしょに食べない?」

「みおと?」

「他に誰がいるの?」

「美里先輩とか」

「ああ、もち一緒だけど良い?」

「いいよ」


昼休み

「ゆうと!こっち」

声がする方を見ると、美青さんと美里先輩がボクを呼んでいるんです。

かたや超絶カワイイJK:美青さん、もう一方は学校のプリンセス美里先輩に

挟まれた形で着席すると・・・まわりの男子からの羨望の眼差しが。


「な、なんなんすっか?」

二人がじっとボクを見つめているんです。

「なにって、ふふふ」

「いいじゃん!ははは」

「ゆうと、あ~~~ん」

「だめ!私がねっ!はい!」

なんだこの天国状態は・・・二人が互いに食べさせようとしているんです。


午後の授業も夢の中にいるようでして・・・

「和田!なにぼーっとしてんだ!次のページから読んでみろ」


なんか手につかない・・・そんな感じ。




下校

自転車を押すみお

横で歩くボクと美里先輩

「じゃあね、またあした」

用事がある美里先輩は帰って行った。


ボクとみお


コンビニを越えたところで自転車を止めるみお

「ねぇ」といいつつボクの前にたって


「ゆうと・・・」

みおと初めてのキス

甘い香りがする、みお


「今日はここまでね、じゃあまた明日」

「さよなら」



「優斗、お前どうした?顔が赤いぞ」

親父にも兄貴にも同じことを言われた。

鏡を見ると、うーんやはり顔が赤いなぁ・・・みおにキスされたからかなぁ。


おふくろは「優斗もそういう年ごろなのね」だって。


「ママもね、そういうことあったのよ」

「へぇ~~、そうなの。だれと?」

「パパよ」

親父は照れくさそうに新聞で顔を隠してしまった。解りやすいなぁw


「なぁ兄貴」

「ん?」

「ボクさぁ彼女出来たんだ」

「おーそうかい・・・えっ!お前がか?あ!ええ!!」

兄貴に告白したら、なんだかおかしくなってるぞ・・・

まぁ彼女いない歴20年以上だしなぁ・・・兄貴は



寝ようと思ってベットに入っても、寝付けないんですよねぇ。

あれやこれやと、みおのことを考えると・・・



第30話 完


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