第29話 初めてのデート

制服をきちっと着て、ネクタイもしっかり

靴は・・・あっ!汚れてる!!


きれいに汚れを落として、磨いてっと。


「行ってきます」



電車に乗って最寄り駅で降りる

学校までは歩いても数分の距離。


コンビニの角を右に折れるともう校門が見えてくる。


新緑が美しい並木道


「おはよう」

「おはようございます」

美青さんは自転車を止めて待っていた。


自転車を押す美青さん

「ねぇ、私相手に”ございます”は止めて」

「でも・・・」

「私たち付き合ってるよね?」

「は、はっ、はい」

「なら、解るよね」

「はい解りました」

「それも。私には敬語を使わないこと」

「はい」

「解ればよろしい、ふふふ」

「そうだline交換しとこ」


今日も美青さんはカワイイ。

黒髪ロングヘアが美しい、前髪を揃えているところもボクの好みなのです。


「あのさ、日曜日遊ばない?」

「えっ?日曜ですか?」

「用事ある?」

「ないです」

「じゃあ、10時駅の改札口で待ってるから」


その日も次の日も、一緒に登下校している。

だけど、日曜日まで、毎日毎日そわそわと気が気でならなかったんです。

勉強も手につかず、何をしていたのかさえ覚えていないような感じ、

解りますか?



日曜日

あら?美青さんからlineが来てた。

【今日はキミのことをもっと知りたいから、行きたいところへ連れて行って】

えーーーーーーーーーーどうしよう・・・・・・

行きたいところっていうと、ボクの場合は本屋とかCDショップとかなんだけど。

それで美青さん、良いんだろうか?


ダークグリーンのプルオーバーパーカーとグレーのチノパンにキャップ

一番お気に入りのスニーカーで駅前で待っていると。

美青さんがやって来た。今日はポニーテール、パーカーとスキニージーンズに

パンプス。


「お待たせしました」

「おはよう!今日はよろしくね」


ショッピングモール内の大きな書店

「ボク、本屋に入ると一日出てこないこと有るんです」

「一日!」

「はい」

「ホントに本が好きなのね」


自分の好きなジャンルの本棚で

「ふぅ~~~んこういうのが好きなんだ」

「あ、ああ、見ました?」

「うん見た」


ボク、歴史書とかそう言うのをよく読んでいます。

特に戦国武将が出ている物語とか、その武将について書かれた本とかを

よく読んでいます。


「和田くんさぁ、好きな戦国武将っている?」

「そうですね、ボクは織田信長が好きです」

「どういうところが?」

その後、ボクが信長を好きな理由を延々と話してしまったんです。

美青さん、うんうんと相槌を打ちながら聞いてくれてたんですけど、

正直、迷惑だったかなぁ・・・



本屋を出て近くのカフェへ。

「ねぇ、優斗って呼んでいい?」

「え、ええ、いいですよ」

「また!敬語はダメって言ったよね!私のことはみおって呼んで」

敬語はダメは良いんだけど、”みお”呼びはハードル高すぎん?







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