第22話 ギャルの妹って

イケイケギャル綾の妹って言うから、

まだギャルの登場か?と正直身構えて居たら・・・

意外にも清楚系JKだったわけで。


「あ、あの、美青さん」

「え?なに?」

「ここに入って見たいです」

「え、あ、じゃあ」

と入ったのは、ちょっと大人っぽい感じのお店だ。


「あー、こういうのいいなぁ」

「こっちもいい感じだなぁ・・・」


「試着してみて下さいねぇ~~」と店員。

すると、さっと私の後ろに隠れちゃう・・・

どうしたの?


愛ちゃんが言うには

「店員さんに声かけられるのが、苦手なんです・・・」

あーそう言うことか。

それこそ姉ちゃんと一緒に来れば、良いんじゃないの?

「お姉ちゃんはこういうお店には来たがらないの」

「そうなんだ」

「はい、行くのは決まってギャル御用達のお店ばかりで」

見ている服も、どちらかと言うと大人しめのものばかりだし、

今日もゴスロリっぽい感じだから、綾が行くような店は苦手かも知れない。


「これ、いい感じじゃないですか?」

うんいいと思う。愛ちゃんにはピッタリかな?

花柄のロングスカート、淡いブルーのシャツ、似合うなぁ・・・

案外スタイルも良いし、姉の綾も意外とスタイルいい。姉妹だからな。


おっ?自ら店員に声かけてるぞ。

「あ、あの」

「はい!試着ですか?どうぞこちらへ」

「は、はっ、はい・・・」


「美青さん、どうですか?」

「うん、いいじゃん!ピッタリだよ」

「ありがとう美青さん」



「ありがとうございました」


「美青さん、今日はありがとう」

「ううん、いいよ綾に頼まれたんだし、愛ちゃんが良ければね」

「あの」

「ん?なに」

「この後って時間ありますか?」

「あるよ」

「付き合ってもらえませんか?」

「わたしと?」

「はい!」


ショッピングモールを歩くふたり。

どっからどう見ても仲良しな女子だと思うでしょうが、元男とJKですから。


タリー〇コーヒーで

「愛ちゃん」

「はい」

「今日は一日、どうだった?」

「ええ・・・」

「?」

「ますます美青さんが好きになりました」

「はっ?」

実はと切り出した彼女は

もともと私とデートしたかったんだって。

で自分からは言い出せないから、お姉さんの綾を引っ張り出してきたという。


「うーん私に美里って子がいるのは知ってるよね」

「はい知っていますけど」

「知っててそう言うの?」

「はい」

何か問題でも?っていう顔で私を見ている・・・うーんこれはどうすれば・・・


「だって女子同士ですよ?」

まぁはた目からはそう見えるでしょうけど。

「考えておくよ」

「ぜひ」




「おい!大原」

「おっ!こないだはありがとな!愛もよろこんでたよ」

そうだろうなぁ・・・俺、じゃなくて私に告白してくるんだしなぁ・・・


「そうだったか、お前に告ったのか」

「そう」

「まぁいいじゃんよ、女子同士だし」

愛ちゃんと同じこと言ってるなぁ・・・さすが姉妹だって感心してる場合じゃない!


「じゃあ、お前と愛と美里とあたしでカラオケでも行かね?」

「4人でか?」

「そう、それでお前たち3人が女子同士として仲良くなれれば良いんじゃね?」

案外面白いかも・・・

「解った、じゃあ綾、お前よろしくな」

「んだよ、なんで私が?」

「言い出したのは綾、お前だろ?」

「・・・わーったよ!」


第22話 完

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