第11話 どうするどうする?

みちると康太の後ろをつけている女子がいる。

それは美里だった

「こうたん・・・」

自分から身を引いたのにもかかわらず・・・でも気になる美里。


後を付けて行くと、

二人が入ったのは、ランジェリーショップ

「えっ?」


とまどう康太

外見はJKだが、実際は男子だからとまどうのは当然である

「こう言うの似合うと思うんだけど」

「これも良いかなぁ」

「あっこれでしょ?やっぱ」

いろいろなランジェリーを試着する俺

なんだかんだ言っても、外見上は女子だから、ブラジャーもつけられたし・・・

これって役得なんだろうか。


ご飯に行ったり、それはそれで楽しかったんだが。

やっぱり美里のことが気になる。ごめんよ美里・・・


なにより積極的なみちる。

そんなみちるのアプローチに俺は次第に、彼女が気になる存在になっていた。

一応交際をOKしたが、美里がいる手前、ある程度控えて付き合っていたが・・・


美里が去ったしまった今、俺がつき合えるのは、みちるしかいない。

「手をつないでいい?」

「えっ!良いんですか?うれしい!!」

二人手をつないで歩いていく、だけど心の中には美里がずーっと存在している。

そんな感じを、みちるに見せるわけにはいかないと考えていた。


「こうたん?あの人のこと考えていたでしょ?」

通りを手をつなぎながら歩いていると、みちるがふっとこう言った。

「いや、そんなことはないよ」

「うそ、顔に出ているよ」

やはり、こう言うところは女の子なんだな。

いくら男子に興味が無く付き合ったこともないとは言ってもだ。


「ねぇ、こうたん」

「えっ?何」

「こんど、あの人も一緒に三人で遊ばない?」

「え!それは・・どうだろう?受けてくれるかなぁ」

「こうたんの頼みなら聞いてくれると思うよ」

もう、彼女にはフラれているんだよ!美里はもう関係ないんだ。


「大丈夫よ、私が頼めば来てくれると思うよ」

「そんなことないだろ?」

「なんでそう言い切れるの?」

「それは・・・」

「そうでしょ?三人で遊んだほうが楽しいと思うんだけどなぁ」

「・・・」


「じゃあね、学校で」

「さよなら」


帰り道、

美里とみちる

対照的な二人の女子とどう対応したら良いんだろうか。


翌日

駐輪場で

「おはよう」

「・・・」美里は俺に目も合わせず行ってしまった。


本当に嫌われてしまったんだなぁ・・・

幼馴染だし、お互いのことは良く解っているとは思っていたんだが、

結局うわべだけだったって事なのか。


「康太」

「お、おおう、どした圭」

「あのさ、お前さ」

「なんだよ」

「美里と完全に別れたのか?」

「・・・」

「そうなんだな・・・実はさ、美里に言われたんだよ」

「なんて?」

「お前の事は嫌いじゃないけど、みちるとベッタリしているお前が嫌いなんだって」

「・・・」

「どうすんだ?」

「どうするも何も・・・」


あああああーーーーーどうすりゃいいんだ?

幼馴染で気心の知れた美里、

女子に変身した後も、いろいろと気にしてくれていた。


変身した後に、そんな俺が好きだと言ってきてくれたみちる


どっちも選べない俺。



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