第10話 三角関係に悩む

「ねぇ、あの子どう思う?あの作戦もあまり効果なかったし」

「みちるちゃんのこと?」

「そう」

「じゃあ私は?」

「え、あ、ああ、えーっと、それは・・・」

「私よりも彼女を選ぶの?」

「いやぁそういう訳では」

ちょっと相談しようと思ってたんだが、何やら怪しい雲行きになりそうな予感

「こうたんのことホントに心配してたのに」

「いや、それはそれで有難いんだけど」

「だけど?」

「あの子があまりに真剣過ぎて・・・」

「えっ!私も真剣にこうたんのこと考えて来たんだよ!」

「いや、そうではなくて」

「こうたんのバカ!もう知らない!」

「ちょっ、待って美里!」

俺としては、こういうことになるとは思わず、軽い気持ちで美里に相談したんだが。


「お前、美里にフラれたんだって?」

「いやぁ結果としてはそうなっちゃったんだけど・・・」

「美里、怒ってたぞ!どうすんの?」

「どうしたら良い?圭?」

「知らねえぞ・・・おっと時間だ!またな」

「お、おい!圭!」


美里にフラれて失意の俺の前に

「あの、この前のお返事いただけますよね?」森田みちるがやって来た。

彼女は美里とはまた別のレベルでカワイイ子だ。

黒髪で腰まで長いロングヘア、前髪をパッツンにしている。

クリっとした目もそうだが、すっと高い鼻、比較的ぽっちゃりした唇、白い肌。

目立つ感じの子だが、でもまったくモテないばかりか男子よりも女子の方に

興味があると言う、いわゆる同性愛者であるらしい。


ずっと俺の前に踏み出した彼女、甘い香りがする。

その勢いに押された俺「解った、付き合うよ」

「ありがとうございます!あなたのような女子が一番の好みなんです」


その様子を遠くから美里が見ていた。

「・・・こうたん・・・ずっと好きだったのに」


「じゃあ、明日私につき合ってもらえます?」

「えっ?あ、ああ、解ったよ」

「そう言えば、あの方は?」

「あの方って?」

「あなたをこうたんって呼んでいた人です」

「美里ちゃんのこと?」

「そう」

フラれたとは言えないし、だからと言ってまだ好きだともいえないし。


「友達だよ」

「ですよね、私も美里さんみたいになりたいと思ったこと有るんです」

「どういうこと?」

「文化祭のミスコンでぶっちぎりの得票数でプリンセスになってんですよね

 あんなきれいな女子にあこがれます」

「みちるちゃんもカワイイじゃん」

「ですよねぇ!」

あっ!素直に受け入れるんだ。面白い子だわ。




次の日

「あのなんて呼んだら良いですか?」

「なんでもいいよ」

「こうたん」

そう呼ぶ?美里にしか許した覚えは無いんだけどなぁ・・・

でもそれ以外に呼び方があれば良いんだが。


「今日は一日付き合ってもらいますね」

「あ、えっ、うんまぁ良いけど」

「あんまり気が無いんですか?こうたん」

「そういう訳では・・・」

「じゃあ、行きましょ!」


案外強引なみちるに引き回される俺

「早く!こうたん!」

「ちょっと待ってよ」


みちるにつれられては行ったお店は・・・







  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る