第9話 決めた!

「おはよう」

「こうたん!おっはよー!!」

いつも以上にテンションの高い美里

「ねぇどんな子なの?」

「イケメン」

「そうなの?私イケメンってさほど興味ないんだ」

「意外だなぁ・・・」

「意外?」

「そう、美里レベルの美人ならイケメンでないと釣り合わない気がするんだけど」

「こうたんって案外考え古いのね、美人ならイケメンじゃないとでは今は無いのよ」

「そうなの」

美里の考えだと、美人だからイケメンな男子でないとって言うことは無いらしく、

それは芸能人とかスポーツ選手何かを見ても、確かに美女と野獣って組み合わせは

結構見かけるのだから。


「じゃあ男子だったころの俺でも付き合えた?」

「あなたが告ってくればね」

「そうなんだね、じゃあ告っとけばよかったかな」

「そういうこと」

「あ!あの子?」

信号待ちをしていると、T学園高校の大宮健太郎が歩いてくるのが見えた。


「おはようございます」

「あ、おはよう」

「こちらの方は?」と健太郎が聞くや否や、美里が抱き着いてきた

「お、おいっ!止めて!」

「いや!この子は私のものよ!」

美里に抱き着かれる俺を見て、彼はドン引き

「え!そんなの有りっすか?えええええ!!!!」と絶叫しながら去って行った


「これでこうたんの悩みが一つ解決したでしょ?」

うーん半ば強引な方法ではあったけど、美里が機転を利かせてくれたのは感謝だな

「ありがと美里」

「ううん、こうたんに抱き着く事が出来たし、オールOKよ!」

そっちか?まぁ良いはこれはこれで


だが一つ悩みを解決したとしても、もう一つの悩みはやっかいだぞ。

「そうね、相手が女子だし・・・あ!圭くんに協力してもらおうよ」

「圭に?」

「そう」

「私に考えがあるわ」

「考え?」



「あの、そろそろお返事もらえませんか?」

「はい、お断りしたいの」

「えっ!なんで!」

「実は・・・」

「よっ!この子誰?」

「誰?こちらの方は?」

「うん、私が今付き合っている彼氏なの」

「・・・彼氏いるんだ・・・」

「そう、C組の森田みちるさんだよね、悪いけどそういうことなんだ」

「・・・でも良いんです・・・」

「良いって?」

「私、男よりも女の子の方が好きなの、だから彼氏がいても良いんです」

「えっ!そうなの?」


俺としては正直言うと女子と付き合いたい。

だけど今の俺は【女子の姿をしたイケてない男子】な訳だ。

「お前はどうしたいの?」

「どうって?」

「女子と付き合いたいのか?」

「男子ならそう思うだろうよ」

「だけど外見は女子だろ?」

「そこなんだよなぁ・・・いきなり女子に変身したんだし、俺の意志とは別に」

「とするなら何時か男子に戻れるってことでも有るんじゃないの?」

「そうなれば良いんだが」


そうこうしているうちに・・・





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