第8話 なんだか怪しい雰囲気

美里の家で

両隣りに美里とそのお姉さんが座って、身体を密着させてくるんだが

「ねぇこうたん、どっちが好き?」

「えっ!どっちって」

「私か美里、どちらがお好み?」

「えっと、いやぁ・・・なんと言うか」


「やだぁお姉ちゃんったら」

「美里?あなたはいつも学校で一緒でしょ?私はたまにしか会えないのよ」

「でも・・・」

「ねっ、いい子だからウチへ来た時くらい、私と・・・ね」

「あ、は、はぁ・・・」


美里のお姉さんは、身長が180ちかい高身長で大学時代は読者モデルをやっていた

経歴の持ち主、美里自身もあるファッション誌で同じように読者モデルを

勤めているんだが、いつかは専属モデルになりたいらしい。


「美波さんは、こういう女子が好きなんですか?」

「ええ、そうよ。可愛い系女子は以前から好みだったの。例えば美里みたいな子ね」

「お姉ちゃん、そうだったの?」

「そうよ、言わないだけ」

「お姉ちゃん・・・大好き!!」

「私もよ」

何を見せられているんだ俺は?


2人は俺の顔をじっと見て。

「ねえ、こうたん、どっち?」

「まぁどっちでもいいよね?こうたん」


「そのうち決めますから、今日はこれで」

「えっ!帰るの?」

「もう少しゆっくりして行けば?」


2人の声を後ろに聞きながら、俺は美里の家を後にしたのだった。



「おい、羨ましすぎるぞ!」

昨日の話を圭にすると・・・そう言う反応だろうなぁ。

「美里のお姉さんにも会ったのか?」

「うん」

「どうだった?」

「どうもこうも・・・まぁとにかく美人だ」

「だろうなぁ美里が学校一の美人JKなんだし」



今日も自転車で登校するときに・・・

「あの、まだお返事もらえませんか?」

俺に告って来た男子学生だ。

「そう言えばキミの名前は?」

「T学園高校2年の大宮健太郎って言います」

「2年生なの?」

「はい、あなたはO高校1年のかたですよね」

何で知ってるんだろう?

「あの前から気になっていたので気付かれない様に、後ろついていったんです」

「ストーカーじゃん」

「いやそうではありません、自分で調べるのが一番手っ取り早いと思ったからです」

まぁそれはそうだろうけど、ウチの学校はキミの学校に比べたらレベル低いんだが

「それは関係ありません、好きな人の学校のレベルはどうでも良いのです。

 その人の人となりに好意を持つのですから」

なるほどねぇ、さすがT学園高校に通うだけある、ゆくゆくは東大なんだろうなぁ?


「もうすこし待ってね」

「はい」


校舎の玄関で美里と会うと

「おはよう!こうたん、今日も可愛いね!」

「・・・」

「どうしたの?」

「今日もあの男子に会って返事待ってるって言われた」

「あーあの子ね、こうたんは、その子はタイプなの?」

「タイプかって言われると、解らないな」

「解らない?」

廊下を並んで歩きながら、美里が言う

「そうよね、ついこの間まで男子だったわけだし、同じ男子から告られてもね」

「そうだよね」

「じゃあさ、その子今度私、見てみたいな」

「なら、俺と一緒に登校すれば会うかもね」

「なるほど、じゃあそうしようよ」


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