第7話 異性から初の告白

以前から女子人気のない俺だったのだが・・・


「じゃあ俺はバスケ部の練習あるから!」

「お!がんばれよ」

圭と別れ、駐輪場から自転車を出そうとしたとき、

「あの・・・」

「え?」

「1年C組の森田みちるっていいます。付き合ってください!」

「え、あ、そのぉ、えーっと・・・」


女子から初の告白とか!マジでうれしい話なんだが・・・

ちょっと待てよ

今の俺は女子の姿なんだよなぁ・・・って事は

「キミは女子に告るの?」

「はいっ!!!!」


彼女と同じクラスの友人に聞くと

森田みちるはC組中では、それほど目立つ存在ではないが、

「ああ、みちるのこと?男よりも女に興味があるらしいよ」だって

だから俺に告って来たらしい。


「じゃあ、返事はするからもう少し待ってくれる?」

「解りました!ぜひお付き合いしてくださいね!じゃあ!」


俺は悩んだ

同じような時期に男と女から告られるって・・・

そんな経験は当然ではあるけど、いままでなかったわけで。


「男子と女子から告られたんだって?」

「理沙ならどうする?」

「そりゃあ、あたしは女子だからね。でもモテモテじゃん!お姉ちゃん」

「だからお姉ちゃんじゃねぇっつーの!」


まぁ理沙に聞いたのが間違えだったんだが。


今日は日曜だし美里の家行ってみるか

「こんちは」と声をかけると2階の窓から「あ!こうたん!入って!!」

「おじゃまします」

美里の家はすぐ近くだし、幼稚園の頃から遊びに行っているのだ。


「こうたん、今日はどうしたの?」

「いやぁ、男子と女子、同時に告白されたら美里ならどうするかな?と思って」

「うーん難しいね、私ならって言うより女子としてなら当然、男子とお付き合いする

 私は同性愛には興味ないからだけど、女子とお付き合いすることは無いよね」

「だよな」

「同性愛に興味あれば話は別よ、でもさ、こうたんがこういう事になってね

 正直言うと男子の時の康太くんは単なる幼馴染で、お付き合いするとかは

 考えたこともなかったのよ」

「そりゃあね」

「でも、康太くんが反則級の可愛い女子に変身した今は別よ」

「どういうこと?」

「私もこうたんが好きになっちゃったの!」

「はぁ?」

と言いながら美里は顔を俺に近づけて来た。

「いやっ、ちょっ、待って」

「ダメなの?」

「いや、そうでは・・・」

「なら良いでしょ?」

さらに近づける美里

ついに


美里と初キス

「こうたんの唇を奪っちゃった!」

こんな形で初キスとか。男子の姿でなら納得できるけれど、女子同士だよなこれ?

傍から見たら、なんて思われるんだろう・・・ってか俺も案外考え方が古いのかな。


コンコンとノックする音がする

「美里?誰かいるの?」

「あ!お姉ちゃんだ、こうたんがいるよ」

ドアがあいては居て来たのは、某ブランドの美容部員である美里のお姉ちゃんだ。

「いらっしゃい」


美里のお姉さんも、これまた美人。

近所では有名な美人姉妹なのだが、この二人が俺の両隣りに座っている・・・

これが興奮しないでいられるのか・・・




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