彗星物語

輝空歩

スイセイモノガタリ

 未来の話。23世紀目を迎える地球人には、大きな野望があった。それは人類を木星まで送り届けることだ。


なぜかといえば、ここ近年の急激な宇宙技術の発達により人類は水星、金星、火星着陸に成功し、残す次の目標が木星となったのである。


そんな中、国際宇宙連盟は、木星到達の最大の障壁となりうる小惑星帯うの調査のため、小惑星帯での有人飛行を計画していた。


 そしてそんな人類の夢はある男に託された。 夜輝雅也。 もうすぐで50を迎える日本人のベテラン宇宙飛行士だ。

彼は地球人初の小惑星帯飛行士に抜擢され、新型ロケットにのり、小惑星帯の果てへと旅立った。


しかし、それは失敗した。

事件は、小惑星帯に突入直後に起きた。

宇宙船は予測外の大量のゴツゴツした小惑星群に巻き込まれた。ロケットは懸命に回避したが、その様に設計されていないロケットは耐えきれるわけもなく、最終的に中でも街ほどの巨大な小惑星に激突し、爆散した。誰も、このような事態は予想できなかったのである。


その後、地球は大きな悲しみに包まれたが、次第に時がたつ擦れ、誰もその死を覚えている者はいなくなっていったのであった。


そして、更にその未来の話。

太陽系の支配者となった人類の下に、一つの彗星が接近していた。ゴツゴツした街ほどの巨大な彗星が、尾をたなびかせながら地球に超接近。


その時代の人類は今の1000万倍のスーパーコンピューターを持っていたが、彗星が隕石に変わる事だけは、何故か予測できなかったという。


程なくして、隕石は地球へと帰った。


地球人の亡骸と想いを、ともに乗せて。

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