ホテルの時系列

熱い季節のいつの日か、その街で「あの人」は「その人」と、とあるホテルを尋ねる。


チェックアウト、部屋の鍵、腰掛。


二人が荷物を下ろすと、「あの人」はカメラを手に取り、撮影を始める。


川の流れ、日差し、整ったベッド、「その人」。


「その人」は最初は恥ずかしかったが、打ち明けると喋り始めた。


その日の事、旅の事、人生...


「あの人」は「その人」に近寄り、愛でる。

「その人」は人生の片隅を言い返す。


撮影が終わる。


瞬きの後にやってきたのは、無。

「あの人」が思っていたその日は無情の一日だった。


記憶、真実。

周りが廃になる。


霧、廃、湿気、無人。


「あの人」は嘆く。

彼の行動に何も残っていなかった。

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