夏の時系列

「あの人」と「その人」は多摩川の長い階段に腰を掛けている。

川のすこやかな流れがすべての暑さを流した。


二人ともアイスクリームを食べながら、お互いの時間を過ごしている。

しばらくして、小さな塊を残すと、それをどこまでも遠くに投げた。


熱い八月の夏で、すべては「あの人」と「その人」の時間だった。

確実に告白したのはだいぶ前の事。


「あの人」と「その人」は、二人できるだけ近くに寄り添う。

もう心配しなくても良かった。

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