7

家についたら今度は猫のジンマーマンが出迎えてくれた。

でもジンマーマンが出迎えたのは私じゃなくてわんころも。

わんころもが大好きなジンマーマン。

後ろ足が不自由な老猫だけど必死に歩いて出てきた。

ジンマーマンもあこが気に入ってくれるといいな。


今日は母が出かけているから夕食は自分で用意しないといけない。

父は出張中。

こういう時に料理が出来ないと困る。

夜まであこの家に居たかったけど、わんころもとジンマーマンにごはんあげなきゃ。

ふたりの夕食は用意できたけど、私の分はどうしよう。

ドッグフードでも食べようか。

味がしないからおいしくないけど。


意を決して夜の繁華街まで出かけた。

でもどこの店にも入る勇気が出ず、またコンビニに寄った。

今度は自分の家に近いコンビニ。

でも外山さんが居ないか無意識に探してた。

馬鹿ね。


家に着くと誰も迎えてくれなかった。

わんころももジンマーマンも食後でぐっすり。

コンビニで買ったサンドイッチをひとりでぱくぱく。

私はいい奥さんになれないな。

わんころもが目を覚ましてサンドイッチを欲しがる。

「あげれないよ」

優しくそう言うと、ワンと言って返事をする。

けちって言ってるのかしら。

ジンマーマンはまだ寝ている。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る